プレスリリース

ADFアートギャラリープロジェクトVol.49|落合皎児 版画展「Agua y Viento 1980s」が開催

リリース発行企業:特定非営利活動法人 青山デザインフォーラム

情報提供:

ADF(NPO青山デザインフォーラム)は、アート企画展「ADF Art Gallery Project」の第49回目として、落合皎児の版画展「Agua y Viento 1980s」を2026年10月9日(金)から10月21日(水)まで表参道のGARDE Galleryで開催いたします。画家、版画家の落合皎児は、2024年末に3週連続で放送されたフジテレビ「ザ・ノンフィクション〜炎の中で死んだ父を僕は知らない〜」(The World Media Festival 2026 金賞受賞)で大きな話題を呼びました。本展では、落合の息子、陽介ギフレへと託された作品群の中から、落合皎児の作家デビュー以前から、スペインでピカソやダリと並び「スペイン150人作家」に選出されるまでの、1970年代〜1980年代にかけての作品の変遷を展示いたします。初日の10月9日(金)18時から20時まで、オープニングレセプションを開催いたします。どなたでもご自由にご参加いただけますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

落合皎児(画家・版画家 1948-2024)

1968年、長野の青年・落合皎児は、学生運動が席巻する時代の空気に馴染めずにいました。美大受験に失敗し浪人生活を送っていた彼は、声高なイデオロギーよりも、親友と美術館を巡り、ビル・エヴァンスやマイルス・デイヴィスの音楽に耳を傾ける日々の方に意義を見出していました。

同年、クリスチャンであった母の伝手により、落合はスペインの王立サン・ホルヘ美術大学への入学機会を得ました。当時のスペインはフランコ独裁政権下にあり、日本以上に生と混沌に満ちた世界でした。そうした抑圧的な環境下において、芸術家たちは表現を模索していました。かつてピカソが「ゲルニカ」でファシズムを告発した精神を受け継ぎ、ミロやタピエスらは検閲を逃れるべく、記号や抽象表現に政治的メッセージを託していました。その手段として大きな力を持っていたのが「版画」でした。そしてこの版画との出会いが、落合の人生を大きく変えることになります。

落合皎児 《untitled》 1970sフォトエッチング 

帰国後、落合は職業デザイナーとして働きながらも、スペインで実感した版画の力が忘れられず、創形美術学校版画科で学び直しました。そこで培った技術はスペインでも高く評価され、1978年、30歳の時に妻とともに再びスペインへと渡ります。 バルセロナ最古の版画工房「スタジオ44」ではミロやタピエスの刷り師を務め、スペイン王立応用美術アカデミーで石版画を教えるまでになりました。 そして1980年。息子・陽介ギフレの誕生を機に、自らも作家としての道を歩み始めます。

落合皎児 ”water mirror” 1980sリトグラフ


落合皎児 ”water mirror” 1984リトグラフ

落合は、画家や詩人、音楽家らと様々な交流を深めながら版を重ねるうち、いつしか、風《Viento》と水《Agua》を作品の中心的テーマとするようになりました。そうして生み出された作品はスペイン国立図書館に収蔵され、1989年にはピカソ、ミロ、タピエス、ダリらと並ぶ「スペイン150人作家」の一人に認定されます。再渡西からの10年間で、彼は華々しい経歴を築き上げました。

落合皎児 《water mirror》 1988ミクストメディア(コラグラフ原盤)


落合皎児 《water mirror》 1988コラグラフ(スペイン150人作家 選定作品)

その後、家族や親族の願いにより、日本に活動の場を移した落合。日本とヨーロッパを行き来しながら、フランスの文豪ミシェル・ビュトールとの共作など様々な意欲作を発表しますが、生活が潤うことはありませんでした。それでも、家族、友人、財産を失いながらも、絵筆だけは手放さずに数えきれないほどの作品を描き続けました。しかし、2024年、不慮の火災によりこの世を去ることになります。そして、彼の物語の続きは息子ギフレに託されることになったのです。

本展では、スペインへの旅立ちから版画家として輝きを放つまでの作品群を、ライフステージの変化とともに展示します。落合の思考と感性の軌跡から、何かを感じ取っていただける展示内容となっております。

また、2026年10月17日(土)に、神経美学・実験美学を専門とする川畑秀明氏(慶應義塾大学文学部教授)をお迎えし、ミロ、タピエス、そして落合皎児という3人の作品を並べながら、「アートは、どこに、届くのか。」をテーマに、心理学・脳科学の視点からトークイベントを開催いたします。 聞き手は、落合皎児の息子の落合陽介(ギフレ)が務めます。

公式HP https://www.koujiochiai.com/

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