
違和感や共感といった「モヤモヤ」を言語化し、そのナラティブから世界に新たな視座や視点を提供する物語的シンクタンク、ニッポンモンダイは、全国の既婚の男女300名に「実家じまいに関する調査」を実施しました。
全国で1000万戸目前とされる空き家は、国も放置できない問題として法整備が進んでいます。その背景には、相続や所有者不明だけでなく、実家をどう片付け、残し、売り、壊すのかといった、多種多様な実家じまいの問題もはらんでいました。
今回の調査では、実家じまいに直面する世代において、「実際に先送りにした」「先送りしたいと思った」を合わせると約4割が実家じまいを先送りしていることが判明しています。空き家対策という「社会の課題」と、家庭内の「現実」との間には大きな溝があるようです。
このような背景がある中で、実家じまいで最も懸念されることは、「自宅の大量にある物の処分」でした。実に、7割以上の人がこの回答を選択しており、家財の処分や、思い出のある家を手放すことへの心理的負担が重くのしかかっている状況が示されました。
さらに、実家じまいを先送りしていると回答(約4割)した方について分析をしたところ、最も回答が多かった「思い出のある家や家財を手放すこと」(58.3%)に続き、「見積もり内容や追加料金の確認」(53.7%)、「専門的な説明がわかりにくい」(53.3%)という経済的な負担に関する回答が上位になっています。
「この価格でいいのか」「この業者でいいのか」「この説明を信用していいのか」という判断を繰り返すことへの負担の大きさが心理的障壁となっていることが伺えます。
また、実務を担う人数については、「自分ひとり」で担う層と「家族・親族と共同で行う」層で、金銭面の負担感について大きく回答が分かれました。
空き家対策が進む一方で、社会的な変化が当事者を支えきれておらず、むしろ孤立や戸惑いを生んでいるケースもあるようです。空き家になる前段階で、個人の葛藤や負担が置き去りにされたままになっていることも多々あります。今回、この点に着目し「#実家じまい判断疲れモンダイ」に迫っています。
【本調査のポイント】
#実家じまい判断疲れモンダイとは?
親の家を残すか、売るか、解体するか。残せば維持費がかかり、解体にも費用がかかる。さらに、家の中に残された物をどうするのか。実家じまいは、家をどう終わらせるかを決め続ける「判断」の連続だ。
1.家の中の物量に翻弄される
親がしまいこんだ家財をどう処分するか。
2.費用の目安がつきにくい
何度も経験しないからこそ問われる知識と判断。
3.実務と感情の狭間で揺れる
決めなければ、実家じまいは前に進まない。
【調査結果のトピックス】
1. 約4割が先送りを選択。最大の懸念は「家の中の大量の物」

「実家じまいにおいて、先送りにしたいと思ったことがありますか/思いますか?」という問いに対し、「実際に先送りにした」が13.7%、「先送りしたいと思った」が26%となり、合わせて約4割が実家じまいの先送りを選択していました。

また、不安や負担に感じることの最多は「家の中の大量の物を処分すること」で、7割以上の人が回答しています。
2. 先送りの真の要因は物量ではなく、「経済的負担」と「専門知識」の壁

先送り層(約4割)の不安要因を分析したところ、最も回答が多かった「思い出のある家や家財を手放すこと」(58.3%)に続き、「見積もり内容や追加料金の確認」(53.7%)、「専門的な説明がわかりにくい」(53.3%)という経済的な負担に関する回答が上位にきています。
一方で、「家の中の大量の物を処分すること」は42.9%にとどまっており、実家じまいの物理的な要因と、心理的な要因は必ずしも一致しないことが明らかになりました。
3. 「自分ひとり」で担うことによる、金額的負担へのプレッシャー

実家じまいの実務を主に担う人について、「自分ひとり」で担う層(18%)と「家族・親族と共同で行う」層をさらに分析すると、回答傾向に明確な違いが見られました。

「費用が適正なのか判断すること」への不安は、共同で行う層が30.8%だったのに対し、ひとりの層は50.0%に達しました。ひとりで担う人ほど金額の妥当性を判断せざるを得ず、重い負担を抱えていることが推測されます。
個人の経験や家族構成だけでは「実家じまいのリアル」は救えない?

今回の本調査前のスクリーニングでは、「親の家について考える必要はあるが、まだ具体的に動いていない」という未着手層が21.4%で最多となりました。
この背景には、単なる解体や片付けといった物理的作業だけでなく、親族間の調整や業者選びといった「正論」だけでは解決しきれない、孤独に判断する環境が潜んでいることが示されています。
空き家が増加する今、私たちは個人の経験という枠組みだけで家庭内の問題を背負わせてよいのか。 「判断の過程」で止まってしまう実情こそ、実家じまいの難しさ、そして担い手の苦悩をよく物語っていることが示唆されました。
【調査概要】
調査名:実家じまいに関する調査
調査対象:全国の既婚男女300名(男女各150名)
調査方法:インターネット調査(Freeasy)
調査時期:2026年8月26日
調査主体:ニッポンモンダイ
【メディア関係者の方へ】
※本調査結果をご利用の際は「ニッポンモンダイ調べ」と明記ください。
※本リリースの調査グラフ・画像素材は、報道目的での二次利用が可能です。
ニッポンモンダイとは
解決よりも、問い続けることを価値とする文化をつくる。
ふと、見過ごされていたり、まだ誰も気づいていない
「違和感」や「共感」といった「モヤモヤ」を言語化し、
そのナラティブから、世界に新たな視座や視点を提供する。
ニッポンモンダイは、そんな物語的シンクタンクです。
公式サイト:https://nippon-mondai.jp/
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