■ 新たに加わったゲームシステム－

同発表会では、MGS4チームスタッフによる同タイトルの実機プレーデモとともに、小島監督のプレゼンテーションも行われた。
同プレゼンで語られた新たなゲームシステムを以下に挙げる。

MGS4は章立て：各章の冒頭にサニーという少女が登場し毎回、目玉焼きを焼くシーンが出現。目玉焼きは各章の象徴で、少女の笑い方や焼け方でそれぞれの章の意味を成すという。

無線：オタコンからの無線は無線画面内のムービーをズームしたり、早送りしたりすることが可能。受信だけでなく送信して聞きたいことを聞くなどの従来のシステムも採用する。

オクトカム：物体の色やテクスチャー、素材感を吸い取り、擬態して隠れることができるというもの。吸収したテクスチャーは記録可能。

スレットリング：スネークの体の周りに半透明のリングが現れ、リングの波形の方向に敵がいることを示す。「気を集中させると出てくるようなニュアンス」で作ったという。

武器：ゲーム上の設定では、武器はIDロックがかかっており、所持者本人以外は使用できないようになっている。

Mk.II（メタルギア マークII）：オタコンが操作しているメカ。オタコンとの通信ターミナルとしての役割のほか、ステルスで隠れることができ、偵察・探索機として操作可能に。

ソリッドアイ：装備することで、暗視装置やスコープになる。装着時に兵士を見ると、兵士の種類や所持している武器、感情などもわかる。形状は眼帯のよう。

サニーカメラ：メニュー画面に24時間表示されるカメラ。スネークたちと行動をともにする少女・サニーが、スネーク達が戦場で潜入している間、何をしているか観察できる。

ドレビン：謎の猿を連れた黒人男性キャラクター。武器・兵器の卸売り販売業者。ID管理されて使用できなくなっているID銃をIDが一致しなくても使えるノンID銃にハックする武器洗浄（ロンダリング）屋。ドレビンは彼らの総称。本業はATセキュリティーの製造管理部門担当者。

ドレビンショップ：ドレビンが販売している銃などを戦場に落ちている武器や装備をとることで、手に入れることができるドレビンポイントで、武器の購入が可能。

ドラム缶：おなじみのダンボールより耐久性が高いアイテム。転がって、「ドラム缶アタック」などの攻撃も可能。ローリングし過ぎると嘔吐するという。

火縄銃：100万ドレビンポイントする銃器。通常は一般的な火縄銃だが、たまに「神風」が吹いて敵を一層してしまう能力が。去ったあとには大量のアイテムが…。小島監督いわく「冗談の兵器（笑）」。

■ 「リゲイン」「iPod」e.t.c－メーカーとのコラボ企画が続々

これまで、数々のコラボ企画を実現してきたMGSシリーズ。今回のMGS4では以下の企画が実施される。

リゲイン：第一三共ヘルスケアとのコラボ。「24時間戦えますか」という同商品のコンセプトが主人公スネークに合致したため、LIFEと気力を回復するアイテムとして実際にゲーム内に登場する。6月10日からは全国のコンビニエンスストアで「リゲイン」を購入することで、MGS4オリジナル携帯クリーナーやドッグタグがもらえるキャンペーンを実施する。

iPod：スネークが常備しているアイテムとしてAppleのiPodが登場。曲はデフォルトで入っているもののほか、さまざまな方法で入手可能。

GA-KOアラームクロック：ゲームに登場する少女、サニー愛用のガーコタイマーを商品化。時間になると首を左右に振りながら「ガーガー」鳴いて時を知らせる。7月31日発売。価格は2,940円

ソニーエリクソン：ソニーエリクソンが手がけるauの機種「W62S」とコラボ。世界約180カ国で使用できる同機種の特徴をとらえて、ゲーム中でもヴァンプとナオミが同携帯電話を使用している。

さらに、同社が運営する「PlayNowキセカエ」で配信中の「頑張れサラリーマン」とのコラボも実施。MGS4の主人公オールドスネークのほか雷電など他のキャラクターも登場する。

TRIUMPH：イギリスのバイクメーカー「トライアンフ」とのコラボ企画。MGS4に登場する重要キャラクター、ビッグママの愛車として「Bonneville T100」が登場。ゲーム内では、スネークとビッグママが同車にまたがりつつ繰り広げるチェイスシーンも。このほか「Speed Triple」も登場する。

アサシン クリード：ユービーアイソフトが手がけるゲームソフト「アサシン クリード」とのコラボ企画。「アサシン クリード」の主人公、アルタイルが身につけている白装束がMGS4内に登場。スネークに同コスチュームを着せることが可能に。

ユニクロ：ユニクロが世界で展開するTシャツブランド「UT」とコラボ。メタルギアシリーズをモチーフに、アーティストがデザインしたTシャツ計6柄（各柄2色展開）が6月12日に発売。価格は1,500円。

アイ・アム・レジェンド：ウィル・スミス主演の映画「アイ・アム・レジェンド」とコラボ。同映画をレンタルすることで、MGS4の世界観や軌跡を描いたCG映像、PV等が収録された特別ディスクを見ることができる。

■ ワールドツアー敢行

「最初は不安だったが、なんとか発売できることになった」（小島監督）という世界同時発売。世界同時にちなみ、各国をまわりユーザーと握手・サイン会を行うワールドツアーを敢行する予定だという。日本を出発し、ロンドン・マドリッド・ミラノ・ハンブルグ・アムステルダム・パリなど欧州各国を訪れた後、東京、ニューヨーク、ロス、サンフランシスコに行きワールドツアーは終了となる。

■ MGS4のテーマ－SENSE（センス）

発表会の最後に小島監督は「MGSは『次の世代に何を伝えていくか』をテーマにこれまで紡いできた。MGS1は『GENE（遺伝子）』をテーマに、MGS2は『MEME(文化的遺伝子)』をテーマに、MGS3では『SCENE（時代）』をテーマに展開してきた」と過去を回想。加えて今回のMGS4については「最も伝えにくいものであるが、最も伝えなければならない人の意思や感情など『SENSE（センス）』をテーマにしている。MGSが誕生して今年で21年。MGS4は我々の21年間の技術やノウハウ、経験などすべてをつぎ込んで作った集大成となるもの。どうぞ、僕らの『センス』を、ゲームを通じて感じてもらえれば。そしてそのセンスを次の世代に伝えてもらえれば。僕らがやるべきことはすべてやった。あとは、みなさんの評価を待つばかり」と発売に向けての意気込みを語り、発表会の幕を閉じた。

【おわりに】

圧倒的な存在感を誇り、自らの記録を塗り替えてきた「メタルギア」シリーズが完結を迎える。誕生から21年、スクリーンに映し出された年老いたスネークが年月の経過を物語っていた。「伝説の英雄 スネークに会えなくなるのか…」。シリーズの終わりにそんな寂しさを感じざるを得ないファンも多いのではないだろうか・・・。アキバ経済新聞ではMGS4の成功を祈りつつ今後も同タイトルの動向に注目していきたい。