■ カジュアルゲーム全盛期にあえてMGS4で挑戦-コナミ田中社長
記者発表が始まり約17分のムービー放映終了後、コナミデジタルエンタテインメント田中富美明社長が登壇。MGS4リリースについて「ゲームをじっくりと遊びたいというユーザーが多くいる一方で、趣向の多様化が進み近年はカジュアルゲームを好むユーザーが増え新たな広がりを見せている。そんなカジュアルゲーム全盛の時代に、あえてMGS4を投入することを決意し、この挑戦の陣頭指揮を小島に託すことにした。このような思いのもと制作がスタートしたMGS4、監督の小島をはじめ制作スタッフ一同シリーズ最高傑作になるよう全身全霊をかけて進めてきた。昨年、発売日の遅れを発表し関係者やファンを心配させてしまったが、今日ここで完成を報告するに至った」と心境を語った。その後、「完成作品を見て『ゲームもついにここまで来たか』と感じている。MGS4はストーリー、映像、音楽、すべてにおいて今までのスケールを越えるものになっている。また、MGS4の魅力を伝えるため、ハイスペックなPS3の性能を最大限に活用することで、制作者の思いを妥協することなく実現できたと考えている」ともコメントした。全世界同時発売まで1カ月を控え「すでに日本を始めアメリカ、欧州、アジアなど各地域の市場の関係者からも手ごたえのある声を頂いている。6月12日の発売は力強いスタートが切れるのではないか」との展望も語った。
■ MGSシリーズ最終作への挑戦-小島秀夫監督
田中社長の登壇の後、「メタルギア」シリーズの産みの親である小島秀夫監督が登場。開口一番「お待たせ致しました」と力強く語った。完成の喜びについて「ようやくMGS4が完成した。今日、この場で無事完成報告ができることを嬉しく思う。今回の制作は非常に大変だった。作っても作っても終わりが見えない、毎日が螺旋のような日々が続き一時は完成のめどが立たない時期もあった」と制作の苦労を漏らした。その理由に「MGS4では数々の限界への挑戦を挑んだため。まず、Cellエンジン搭載の未知なるハードPS3への挑戦のほか、HD映像・5.1chを含める映画並みのハイクオリティーへの挑戦、ゲームのシリーズ最大ボリュームへの挑戦、それに伴う最大組織への挑戦。チーム初となる世界同時発売への挑戦。そしてMG SAGAの完結編としてシリーズ最終作への挑戦など、数々の挑戦をクリアせねばならなかった」と感極まり言葉をつまらせた。「何度か、折れそうになったが、世界中のメタルギアファンの方々の支援・声援があって限界を超えることができた。完成したMGS4はこれまでのシリーズの中で最大で最高の作品になったと思う。カジュアルゲームブームのおかげで、新しい市場が生まれてゲームの可能性が伸びた一方で、コアゲーマーと言われるゲームを人生の拠り所にしている真摯なゲーマーの方々がいるということも忘れてはならないこと。じっくり腰をすえてゲームをプレーして、ゲームから元気や勇気をもらうという楽しみを待っている旧来のゲーマーのみんながいる。彼らに、もう1度ゲームの楽しみを知ってもらいたいと思った」と、コアゲーマーに向けてのメッセージも。そして「ゲームは新しい技術を吸収して進化していく総合芸術だと信じている。しかし、ビジネスでもあるので判断が難しいが、ゲームの未来を考えたときリスクを背負いながらも前へ進むべきだと僕は思う。なぜなら、一時は日本製ゲームが世界を席捲したときもあったが、現在は残念ながら海外のゲームプロダクションの潤沢な資金力と非常に高い技術力で我々の1歩先を行かれてしまった。MGS4はシリーズを愛してくださる方々のために作ったが、同時に僕の中ではもう1度ゲーム復興のうねりを戻したいという願いがあり、制作をしていたというのも事実。MGS4を見ていただいて、『こういうゲームもありやな』『こういうゲームの未来があってもええな』と思って頂ければ幸い」と心情を語った。
■ MGS4コラボ企画に登場するアッキーナ-「みんなに自慢したい」
また、同発表会ではMGS4コラボレート企画の1つとして登場するアッキーナこと南明奈さんがゲストとしてステージに。コラボ企画は昨年のゲームショーでの「MGSの大ファン」(南さん)との発言から実現したという。南さんは「昔からMGSの大ファン。MGS3は特に何回もクリアしたし、1日中遊んでいることもあった(笑)」とMGSファンであることをアピールした。小島監督の「ゲームショーでプレーしているのを見ていたが、僕より上手いかも(笑)」との言葉に照れ笑いする一幕も。MGS4ゲーム内にポスターなどで登場する南さんは「ゲームの中に登場するのは初めての体験。私としては本当に嬉しい。みんなに自慢したい」と笑顔で喜びを語った。MGSの魅力については「アクションゲームはたくさんやっているが、同タイトルはズバ抜けてカッコいい」とコメントした。