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「次の山は我々が作る!」-タイトー新プロジェクト発表会レポート

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【ハッピープロジェクトを開始】

ハッピープロジェクト

4月から、全国で運営するアミューズメント施設直営店「タイトーステーション」を中心にサービス品質の向上と、来店客を夢中にさせ、感動を生む店舗づくりを目指した全社横断の取り組み「ハッピープロジェクト」を開始。「大切な人に喜んでもらいたい、かけがえのない思い出を作ってもらいたい、と思っているあなたをお手伝いする」という願いを込めて名付けた同プロジェクトを、すべての事業分野で展開していく。展開内容は以下。

■ 「★★★制度」(スリースター制度)の導入

「スペースインベーダー」の生誕30周年を機に、昨年4月から新店舗ブランド「タイトーステーション」を設立し、品質基準にもとづく外部機関の審査をクリアした店舗のみ、新「タイトーステーション」として認定するブランド認定制度を導入してきた同社。4月以降は、「★★★制度」(スリースター制度)の実施を決めた。これまでの「タイトーステーション」ブランド認定制度が社内審査であったのに対し、同制度は一般モニターが覆面調査を行い、店舗を評価する制度。同制度の導入により、「お客様の立場で」店舗サービスを評価し、サービス品質の向上と感動を生む店舗づくりを目指す。同取り組みはアミューズメント業界で初(同社)。

■ 10億回叩かれた「ハッピーボタン」、後継機登場へ

ハッピーボタン10秒間に何回ボタンを叩けるかを競うゲーム「ハッピーボタン」の後継機「ハッピーボタン2」の設置を決定。同機は、2人対戦仕様になったほか、3つの身体能力を測定する新機能を設けることで、コミュニケーションツールとして顧客の「楽しい」をサポートするという。ちなみに、「ハッピーボタン」は昨年4月の導入から1年でボタンが叩かれた数は10億回を超える。

また、携帯サイト「タイトーハッピーステーションモバイル」新ポイント制度の提供を4月末から開始。同サイトは、昨年夏から1日1回無料でクレーンゲームをプレーできるクーポンサービスを提供中で、利用者数は延べ10万人以上。新ポイント制度は、クーポン利用客に来店ポイントを加算し、累計のポイント数により同サイト限定のゲームや、ほかクーポンサービスを提供する。

■ スペースインベーダーがゲームセンターCXとコラボ

昨夏、「お台場冒険王」限定で制作された、「ゲームセンターCX」と「スペースインベーダー」のコラボレーションゲーム「スペースインベーダー×CX」が北海道~鹿児島までの店舗に期間限定で登場。同ゲームプレー客は、「ハッピーな気持ち」をメッセージボードに記入。そのメッセージは番組パーソナリティーの有野課長へと届けられる。 また、全国キャラバンの会場店舗では、アミューズメント用クレーン景品「ゲームセンターCXマスコットぬいぐるみ」の導入も。

スペースインベーダーゲームセンターCX

【業務用ゲーム】

■ NO考ゲーム-「見りゃァ、ワカル。やりゃァ、オモロイ」

近年、アミューズメント施設では、最先端技術を活かし多彩な遊び方ができるゲームの登場が固定ファンを開拓する一方で、万人が気軽に遊べるゲームが減りゲームの複雑化・ゲーム機の高額化が進んでいることを受けて、「見りゃァ、ワカル。やりゃァ、オモロイ」をキーワードに、遊びの原点回帰を目指した新ブランド「NO考ゲーム」を立ち上げ。「特定のタイトルを遊びたい」という来店客が多く、客層がコア化する中、同ブランドの展開を通じて、女性や家族などのライトユーザー層にアピールする商品を拡充し、アミューズメント市場の活性化と拡大を目指す。

(NO考ゲームとは)
NO考 : マニュアル不要、すぐ遊べる。
NO巧 : ゲームが巧くなくても楽しめる。
NO高 : 比較的安価でマシーンを提供。
濃厚 : 中身はしっかり濃厚、ライトユーザーからマニアまで楽しめる。

今回発表されたのは、「ホーンテッドミュージアム」(画像左)と「ミュージックガンガン!」(画像右)2機種。「ホーンテッドミュージアム」は、旧来のガンシューティングに見られるリロードと弾数制限を廃し「思う存分撃ち込む爽快感」を念頭に開発したガンシューティングゲーム。ガンコントローラーはステージによって、マシンガン、ロケットランチャーなどに切り替わるほか、古代遺跡、水中など多彩なステージを設ける。一方、「ミュージックガンガン!」は「音楽ゲーム」と「ガンシューティングゲーム」を融合させた、新ジャンル「音シュー」ゲーム。飛んでくる音モンスターをガンコントローラーで狙い、曲に合わせてショットするもの。収録曲は有名曲とオリジナル曲を収録する。筐体は「かっこかわいい」をコンセプトにデザイン。女性に配慮し、ハンドバッグ置き場も設ける。

ホーンテッドミュージアムミュージックガンガン!
      ©TAITO CORPORATION 2009 ALLRIGHTS RESERVED.

■ 新作アクションシューティングゲーム「サイバーダイバー」リリースへ

特殊能力を備えたキャラクターを操り、さまざまな戦場で戦うアクションシューティングゲーム「サイバーダイバー」をリリース。同機は、市場で稼動中の「ハーフライフ 2 サバイバー」専用のCVTキット(外装や中身を交換し、筐体をそのまま使用すること)として発売。同じ体感型FPS筐体を使用するため、オペレーターに低価格で供給できるほか、プレーヤーは今までの操作感を発揮することができる。また、「筐体をリユース」することで、CO2削減など環境問題にも配慮する。開発を手がけるのは「ハーフライフ 2 サバイバー」を担当したメンバーで、年内の稼動を予定している。

サイバーダイバー

■ 社内横断型製品開発プロジェクト「PROJECT OCEAN」

「PROJECT OCEAN (プロジェクト オーシャン)」は、「お客様の視点に立ち、新たな切り口の機器を開発する」ことをキーワードに、同社全事業部門にわたる社員で構成された製品開発プロジェクト。ゲーム施設マネージャーや、プライズ・玩具系の企画者など、普段はゲーム機器開発に携わらないスタッフで構成されている。昨年10月に組織化し、プロジェクトをスタート。現在は、「オッポポブーン!」(=腰を振るゲーム)「みどりのおせわ」(=樹木育成ゲーム。発売時期未定)2機種のコンセプトモデルの開発を進めている。

【アミューズメントプライズ】

■ 豆でもないし犬でもない-豆しばプライズほか

豆でもないし犬でもない。とてもふしぎな生きもの「豆しば」のプライズや、オフィスワーカーをメーンターゲットにしたデスクに置けるミニデジタル家電シリーズ「T:style」の新製品「デスクトップクリーナー」「USBで駆動する空気清浄機」などのラインアップ、「あったら楽しい!バカバカしい!を形にしちゃおう!」をコンセプトにした「Goi-Su Toys」などを展開していく。

豆しば豆しば
©DENTSU INC.
空気清浄機Goi-Su Toys
©TAITO CORP.2009

家庭用ゲームソフト、ダウンロード配信サービス

子どもも安心、「ドリームエイジコレクション」

ドリームエイジコレクション年間、多数のゲームソフトが発売される中、低年齢の子どもが安心して遊べるゲームを探すことは難しくなってきていることを受けてタイトーが「家族で安心して楽しめるゲーム」を目指して展開中のゲームブランド「ドリームエイジコレクション」。同ブランドからニンテンドーDS向けにガーデニングアクションゲーム「ガーデニングママ」(画像右)や、動物コミュニケーションゲーム「みんなの動物園」(画像左)などをリリースしていく。

みんなの動物園ガーデニングママ
      ©2008 COOKING MAMA LIMITED / Published by TAITO
©TAITO CORPORATION 2009 ALL RIGHTS RESERVED

■ ダウンロード配信サービス

コンテンツ資産を活かし、家庭用ゲーム機向けのゲームコンテンツのダウンロード配信サービスを提供中。配信状況は以下。

スペースインベーダー

Wiiバーチャルコンソール:ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン,PCエンジン向けに発売された計24タイトルを配信中。

Wiiウェア:「スペースインベーダーゲットイーブン」「バブルボブルWii」「レインボーアイランド タワーリング アドベンチャー」を配信中。4月以降も「パズルボブルWii」など、新作の配信を予定。

Wiiバーチャルコンソールアーケード:過去に発売されたアーケードゲームをWiiで再現する同サービスでは、「スペースインベーダー」をリリース。配信は4月初旬を予定している。

PlayStationNetworkゲームアーカイブス:プレイステーション向けに発売された15タイトルを配信中。

Xbox LIVE Arcade:「EXIT」「EXIT2」の2タイトルを配信中。今後は、リメークシリーズ「タイトーコレクション」として「アルカノイドLive!」を近日中に、4月に通信対戦機能を実装した「スペースインベーダーエクストリーム」の配信を予定している。

コンテンツ事業

スペースインベーダー 今年2月に、「iPhone 3G」「iPod Touch」向け第一弾タイトル「スペースインベーダー」の提供を開始したのを皮切りに、「クッキングママ」「キャメルトライ」など3タイトルを全世界で配信中。また、GoogleのAndoroid Marketの有料サービス開始に合わせて、「アルカノイド」「スペースインベーダー」を投入した。

©TAITO CORP.1978,2009 .

■ 「キャラオケアイドル」がデビュー-最高のアイドルステージを演出

キャラオケ

「キャラオケ」は現在、企画開発中のカラオケとキャラクターを融合した新サービス。自分が歌ったカラオケに合わせてアバターに振り付けをして、「キャラオケアイドル」として「デビュー」することができるもの。キャラクターの髪型や目、服装、アクセサリーのほかステージの演出など、変更可能なアイテムを用意。一部有料アイテムとして、プレミアム度の高いアイテムを購入すれば、自分だけの最高のアイドルステージを演出することも。現在β版を配信中、5月下旬より本配信を予定中。

キャラオケキャラオケ
キャラオケ萌え萌え格闘技事典キャラオケ
     ©TAITO CORPORATION 2009 ALL RIGHTS RESERVED.

■ 和田社長が語る、2つの約束

和田社長 上記の発表の後、最後に、同社和田社長が今後の展望についてスピーチ。「昨今、設備に頼り過ぎているアミューズメント業界だが、そうじゃないだろうと思う。極論を言ったら、機械が1台もなくてもお客様に楽しんでもらえるようなことはできないかと考えた。その結果、『原点回帰し、それによりもっと面白いことができるはず』ということがインベーダー30周年を迎えた今の我々のテーマになっている」と前置き。続けて「今日は、皆さんに2つの約束をしようと思いここに来た」とコメント。1つ目は、「『徹底的にお客様を応援しよう』ということ。我々は、お客様に思い出を作って頂いて物語を売っていく会社。そのために、徹底的にお客様の視点に立って考えようと思っている。例として、タイトーステーションのほか、最近立ち上がった部署・部門を越えて企画を出し合って新しいものを作っていく取り組みについてもそれに該当する。会社組織は、会社側が勝手に作ったものだから、お客様からどう見えるかということではなく、会社側の考えで組織を作ってしまう。そうすると、何かお客様からどんどん遠くなってしまい、一人よがりになってしまうという危惧があった。そこで、さまざまな部署・部門を越えてアイデアを出し合って、物を作っていこうということをやっている」と話した。もう一方の約束は「『次の山はタイトーが作る』ということ。今は、アミューズメント業界が不況だと言われているが、これは今に始まったことではなく、過去何十年も山あり谷ありを繰り返してきた。この業界の面白いところは、谷に落ち込んだ時、その都度、新しいサービスやアイデアが出てきて、前回の山を上回るような山が作られ、谷が克服されるということ。例として、クレーンゲームなどが挙げられる。かつては、あれがゲームだという認識がなかったが、今ではマーケットができ、客層も広がった。ショッピングセンターにゲームセンターができるというのタイトーも、おそらく十数年前は考えられなかったことだと思う。このようなことを踏まえ、次の山をタイトーが作るということをみなさんに約束したい。どこから花が咲くかわからないため、今、さまざまな観点から一生懸命、種をまいている。結果が出るまで、少なくとも1~2年はかかると思うが、お客様の『素晴らしい思い出を作りたい』という不変の思いと、我々がそのお客様の思いを実現するためお手伝いする気持ちが一致すれば、必ず前の山よりも大きな山が築けるはず。そのときには、我々がトップをきって、業界を引っ張っていけたら」という力強いコメントとともに、同発表会は幕を閉じた。

【おわりに】

家庭用ゲーム機の充実や、「巣ごもり消費」の拡大などにより、苦境に立たされているアミューズメント業界。だが、この状況を「これまでも繰り返してきた」と跳ね除けて、「次の山はタイトーが作る」と前進していく同社の活動に、アキバ経済新聞では今後も注目していきたい。

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