デジタルハリウッド大学(千代田区外神田1)は2月26日、同校付属研究機関として「国際アニメ研究所」開設に関する記者発表を行った。
「国際アニメ研究所」は優秀な若手プロデューサー・ディレクターが育っていないなどのアニメ業界における後継者問題や、アジア諸国へのアニメ制作アウトソーシングの急増加にともなうアニメ業界の空洞化問題、高等教育機関での学問領域としてのアニメーション学の不在などを受け同校が開設するもの。
同研究所では、こうした諸問題などを研究し、理論・歴史・制作など各分野の研究を統合、体系づけた「アニメーション学」の確立を目指す。初代所長には「鉄腕アトム」などの手塚治虫作品の脚本を手がけた脚本家で推理作家の辻真先さんを迎えるほか、諏訪道彦さん(読売テレビ放送エグゼクティブプロデューサー)や水島精二(アニメーション演出家)、吉岡昌仁さん(トムス・エンタテインメント理事)らも参画する。設立は4月1日を予定。
今後、同研究所では2007年度中に3カ年計画を策定し、2010年をメドに研究成果の発表を行う(予定)のと同時に、研究を生かした人材育成実施のため同校に「ジャパニーズアニメコース(仮称)」を2008年4月に開講する予定だという。
発表の冒頭で同校杉山知之校長は「国内外を問わず日本でアニメを勉強したいという人が多い中、省みてみるとアニメ業界の人たちにきちんと関わってもらい本気でアニメのコースというものに取り組む機関がなかなかなかった。そこでこうした機関を設立し、アニメ産業の方々に教員、研究員となって頂き、これまでの経験・ノウハウを蓄積することでアニメを教えられる体系を整備すると同時に、アニメ産業界で解決していなかった問題を気長に解決していきたいという思いから開設した」と語った。