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短編アニメ「みらいへの手紙」公開 10本のストーリーに福島の今投影

左から大関教諭、川尻監督、松井さん、内堀知事、箭内さん、浅尾さん

左から大関教諭、川尻監督、松井さん、内堀知事、箭内さん、浅尾さん

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 秋葉原UDXシアター(千代田区外神田4)で2月15日、ドキュメンタリーアニメーション「みらいへの手紙~この道の途中から~」の完成披露試写会が開かれた。

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 同作品では、東日本大震災から約5年、現在の福島にある「光と影」の両面を伝えるため、実話に基づいた約2分間の短編アニメ10本を発信する。

 制作は「新世紀エヴァンゲリオン」でも知られるガイナックス(三鷹市)が昨年設立した、アニメ制作と「空想とアートのミュージアム 福島さくら遊学舎」を手掛ける福島ガイナックス(福島県)が担当。クリエーティブディレクターは郡山市出身・「風とロック」代表の箭内道彦さん、総監督は福島ガイナックスの浅尾芳宣社長が務める。

 同完成披露試写会には、内堀雅雄福島県知事、箭内さん、浅尾さんのほか、タイトルコールを務めたいわき市出身の女優・松井愛莉さん、エピソード「ガレキに花を咲かせよう」の監督を務めた川尻将由さん、エピソード「あたしの先生」のモデルとなった「ふたば未来学園」の大関幸治教諭らが登壇。制作に込めたメッセージなどを語った。

 内堀県知事は「震災から丸5年が経とうとしている福島は、明るい側面と厳しい側面、その両方が入り混じっている。このアニメの10本のストーリーには正に今福島が抱えている現実そのものが投影されている。このアニメという分かりやすい形でストーリーを見て、福島のがんばっている、一方で苦しんでいるところを感じてもらえたら」と話していた。

 箭内さんは「福島を描こうとすれば、192万人そして県外にいる方全員の手紙を作らなければならない。その中から10通を短い手紙にした。自分もそんな境遇が分かるという方もいれば、理解できないという方もいる。全く逆の道を選んだという反応もあると思う。この作品が、誤解が理解に変わるきっかけになれば」と期待を寄せている。

 福島ガイナックス浅尾代表は「楽しんでもらって完結する今までの作品と異なり、見て思ったり、感じたり、考えてもらうきっかけになれば。作品を通じて、それぞれに感じることを『福島』として見てもらいたい」と話していた。

 同作品は現在、特設サイトで公開中。各エピソードの監督によるコメント映像と併せて観賞できる。2月下旬~3月下旬には、札幌・福島・名古屋・大阪・福岡・那覇の6都市にあるギャラリーで、原画も併せて展示する試写会を予定している。

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