プレスリリース

金利復活、株価乱高下─2025年の個人投資家・利回り投資動向

リリース発行企業:Siiibo証券株式会社

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Siiibo証券株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:小村和輝、以下「Siiibo証券」)は、2025年の主な金融トピックスを軸に本年の投資環境を振り返る年次ホワイトペーパーをまとめました。金利上昇局面での利回り投資への関心の高まりや、社債市場の近況、個人投資家の動向について整理しています。

2025年の金融・投資を取り巻く環境

17年ぶりの政策金利の引き上げ
2025年は、1月に行われた2008年以来の水準となる政策金利の引き上げが年間を通じて維持され、前年に終了したマイナス金利政策の影響が、ようやく生活者・投資家レベルで実感を伴って表れた年となりました。

与党体制変更、高市内閣発足
政府政策では、参院選挙での与党体制変更と、10月に高市早苗氏が女性で初めての首相となったことが大きく注目され、高市内閣発足後は「高市トレード」という言葉も生まれ、政策期待・不透明感も市場に揺らぎを与えました。

長期金利上昇、新発10年物国債1.89%
金融市場では、円安の継続と長期金利の上昇が進み、「金利を意識せざるを得ない年」となりました。12月3日には新発10年物国債の利回りが1.89%となり、およそ17年半ぶりの高水準をつけています。

物価高、不動産高騰、生成AIの浸透
物価の上昇や、東京圏の不動産高騰、トランプ政権の関税措置再開など、家計や企業活動に広く影響を及ぼす出来事も相次ぎました。生成AI活用が浸透しつつあり、AI関連やデータセンターへの投資が本格化、半導体需要が拡大しました。

2025年の個人投資家の動向

2024年1月に始まった新NISAの開始から約2年が経過し、投資を始める人の裾野が広がっています。継続的なインフレによって資産を維持するだけでは目減りしてしまう状況もあり、投資を目先の利益のためではなく、中長期的な資産形成の手段という捉え方が定着してきました。
変動が大きかった株式市場と円相場
株価の乱高下/ドル円・139円から158円に
2025年の国内株式市場は、4月に日経平均株価の1日の下げ幅が歴代3番目となる大暴落が起こった一方、10月には史上初の5万円台を記録。価格の変動幅が大きい1年となりました。円相場については、年初円高傾向だったものの、11月末時点では円安傾向にあり、株式市場ともども大きな変化がありました。

外国株式投資信託の人気
日本証券業協会による2025年7月保有投資信託の調査(※1)では、保有投資信託の種類の中で外国株式を組み入れた「外国株式投資信託」が最も多くなりました。特に米国ではAI投資が好調で、関連株高が続いた傾向から、為替リスクをいとわず高いリターンを希望した投資家が多かったと言えそうです。

(※1)日本証券業協会:個人投資家の証券投資に関する意識調査(2025年7月調べ)P.18
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/2025kozintoushika.pdf
金利で復活した利回り投資
金利ある世界に
2024年にマイナス金利が終わり、2025年1月には、2008年以来の高水準な追加利上げが行われました。その後2025年を通じ、政策金利は0.50%が維持されました。長期にわたるマイナス金利政策によって、投資で利益を得るための主な手段には株式が中心の状況が続いていましたが、新発10年物国債の利回りは2008年6月以来17年半ぶりの高水準となる1.89%を記録し、金利で利益を得る「利回り商品」に投資価値を見出せるようになりました。

新しい利回り商品が登場
代表的な利回り商品には、国債のほか、社債、貯蓄型保険、クラウドファンディングが挙げられますが、以下のような新しい仕組みを使ったものも登場しました。
- 貿易債券投信:[4月]ベイビュー・アセット・マネジメントが、貿易取引で発生する売掛債券に投資できるグローバル・サプライチェーン・ファンド「賢者の設計」を発売。
- 動産信託:[5月]FPG証券が、機関投資家や法人向けに展開されることが主流だった航空機を対象とした投資商品を、個人投資家向けに小口化して発売。
- 動産信託:[7月]三菱UFJ信託銀行がシェアサイクル「チャリチャリ」の電動アシスト自転車へ投資をする動産信託を発売。

個人向け社債は発行が活況で買いやすく
個人向け社債を初めて起債する動きも
伝統的な利回り商品の「社債」の発行金額は、昨年に続き2025年も活況でした。注目が集まる動きも相次ぎました。

【個人向け発行額10兆円間近】
- ソフトバンクグループ:2025年も発行金額を伸ばし、個人向け社債の国内市場の4割超に。12/8発行予定の普通社債の金利は3.98%と、投資によって金利の恩恵を感じられる水準。

【個人向け社債を初めて起債】
- イオン株式会社(小売事業大手):[9月]
- 株式会社IDOM(中古車の「ガリバー」運営):[11月]


小口で買いやすいデジタル社債
2020年に開始されたデジタル技術で社債を小口化する「デジタル社債」の活用も進みました。一般的に社債投資は一口の金額が大きいことから、まとまった手元資金が必要で、少額を積み立てるタイプの投資と比較すると、取り組む投資家の年齢層が高めな傾向があります。小口化により少額から始めやすくなり、若い世代でも取り組みやすい投資手段になりました。

【デジタル社債の発行例】
- トヨタファイナンシャルサービス:[2月]トヨタグループで初めてST債を発行。「TOYOTA Wallet」を介した特典プレゼントも用意。
- 株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(「ドン・キホーテ」や「UNY」など展開):[8月]少額から買えて、ポイント還元が付く「若年層応援デジタル社債」を発行し、若い世代の投資家層拡大を狙う。
- 三菱UFJフィナンシャルグループ:[10月]国内銀行として初のST債発行準備を公表。デジタル証券化された銀行系社債として注目が集まる。


尚、小口で投資できる手段として増えてきている「不動産クラウドファンディング」においては償還遅延の事例が発生しており、少額から投資できる手軽さの反面、償還遅延や事業者の破産なども投資リスクとして考慮する必要があると言えそうです。

社債投資にも優待特典
株式投資では一般的な「優待」を社債に付けることで、社債発行をファン作りの機会として活用する事例も見られました。
- 京王電鉄株式会社:[7月]31年ぶりに個人向け社債を発行。ホテル宿泊券や、プロサッカーチーム「FC東京」グッズ抽選等の購入者特典。
- 楽天グループ株式会社:[7月]「楽天モバイル」データ無制限プランの1年間無料利用特典。発行額は1300億円に。


【サステナビリティボンド(資金使途を社会的意義のある活動に活用)】
- 東京建物株式会社:[6月]社会課題の解決と環境配慮を目的に販売

社債専門のネット証券Siiibo証券の投資家動向

市場影響を受けたポートフォリオの見直し
社債に特化したネット証券であるSiiibo証券では、2025年になってから社債を購入した投資家からの購入申込理由に、「株価が不安定だから」「株式相場の乱高下もあり、一部を債券に充てることとした」といった、市場の大きな変動をきっかけにポートフォリオを見直した声や、値動きが大きい株式投資からリスク分散を求めて社債投資に取り組んだ声が挙がるようになりました。為替リスクのある外国株式投資信託にニーズがあった一方、堅実性を高めるためのポートフォリオの見直しも行われた、と見ています。
平均10銘柄に分散投資できる社債で、口座残高が増加
Siiibo証券では一度の購入で平均10銘柄に分散投資することができる「おまとめ債」を2025年2月に発売。おまとめ債を購入した投資家の声からは、分散投資が購入動機の一つになっていました。



おまとめ債発売前後の新規口座開設者で比較すると、1人あたりの残高平均は55万円の増額、およそ社債1口(50万円)分増加しました。
それまでは1銘柄50万円からの購入でしたが、一度の購入で5~20銘柄へ少額分散投資できることで、社債投資のハードルが下がり投資につながったと考えています。
Siiibo証券の口座開設には金融資産1,000万円以上、投資経験1年以上という条件があり、一定の資産とリテラシーを持つ投資家が集まっています。小口化による投資の広がりは、一定の金融資産と投資経験を持つSiiibo投資家においても同じ傾向がありました。



Siiibo証券について
Siiibo証券は「自由・透明・公正な直接金融を創造する」をミッションに掲げ、社債に特化した唯一(※2)のインターネット証券会社として、個人投資家に向けて国内の社債を購入可能なサービス「Siiibo」を運営しています。スタートアップを中心とする未上場企業の社債発行を独自に開拓することによって、バラエティ豊かな社債の購入機会を提供しています。

また、6ヶ月ごとに繰上償還できる「定期換金債」や、いつでも買取依頼できる「社債のセカンダリーマーケット」によって、償還期間の長さや換金のしづらさを解決してきました。

2025年2月から発売を開始した「おまとめ債」では少額で社債への分散投資を可能にし、社債投資のハードルを下げ、投資機会の裾野を広げています。

当社では、為替の影響や市場の値動きに左右されづらい国内銘柄の社債への投資は、市場の混乱に左右されずに一定の投資方針を維持して投資したいという人にとって、有効な選択肢のひとつと考えています。
(※2)Siiibo証券調べ 2025年12月04日時点
Siiibo証券の投資家像
金融資産1,000万円以上、投資経験1年以上の、現役世代を中心にご利用いただいています。
- 職業:会社員 41%、会社役員・管理職 28%
- 年齢:40代(34%)、50代(25%)、30代(15%)

■金融商品取引法に係る表示
商号等: Siiibo証券株式会社 第一種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3230号
加入協会: 日本証券業協会

【本件に関するお問い合わせ先】
Siiibo証券株式会社 広報担当
E-mail: pr@siiibo.com

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