プレスリリース

AI時代、発生型から潜在型・設定型へ ―「深い関心」と「未来像の解像度」を仕事の中で育てる12ページを公開

リリース発行企業:リクエスト株式会社

情報提供:

組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑 智康)の判断デザインラボラトリーは、組織で働く人が、発生した問題への対応から、まだ表面化していない問題の確認、将来に向けた問題の設定へと仕事を広げるための実務資料、「『深い関心』と『未来像の解像度』を、仕事の中でどう育てるか」を、全12ページの図解資料として公開しました。

本資料は、「もっと相手に関心を持とう」「未来から逆算して考えよう」といった正しい考え方を伝えるだけでは、なぜ日常の仕事が変わりにくいのかを出発点としています。

深い関心を、本人の性格や人柄として扱うのではなく、相手の仕事へ影響を与え、その反応を確かめ、さらに知りたい問いが生まれる一仕事の経験として捉え直しました。
また、未来像の解像度を、絵を描く力や想像力の豊かさだけで捉えず、誰のどのような状態を変えるのかを、他者と共有し、実際の反応によって修正できる形にすることとして整理しています。
本リリースでは、全12ページを公開します。
全12ページは以下からダウンロードできます。
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前回は「なぜ発生型に偏るのか」、今回は「どうすれば移行できるのか」

リクエスト株式会社は、2026年9月1日、組織で働く人が発生した問題への対応に偏る背景を、本人の問題意識だけではなく、期限、評価、権限、会議、仕事の完了条件から捉え直した11ページの実務資料を公開しましたhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000068315.html

前回の資料が扱ったのは、「なぜ、多くの組織で、問題が起きてから対応する仕事だけが繰り返されるのか。」という問いです。
今回の資料では、その次に生じる、「発生型への対応に慣れてきた人が、どうすれば潜在型・設定型の問題を扱えるようになるのか。」という問いを扱いました。
結論は、潜在問題や未来課題の考え方を講義するだけでは、十分ではないということです。
本人が、自分の見方や関わり方を小さく変え、その結果として相手の言葉や行動が変わり、相手の仕事が前へ進んだことを確かめる。
その経験から、「なぜ、今回は以前と違ったのか」「相手の仕事には、どのような背景があったのか」「自分は、これまで何を見ていなかったのか」という次の問いが生まれます。
今回の12ページは、この問いが生まれ、深まり、未来に向けた問題設定へつながるまでを、実務経験設計として整理したものです。



「関心を持とう」という言葉を、本人への精神的な要求にしない

相手への関心は、人材育成において重要なテーマです。
しかし、関心を「本人が持つべき姿勢」としてだけ扱うと、研修は精神論に近づきます。
相手に関心を持てる人と持てない人を、性格や人間性で分けてしまえば、何を経験させ、どの仕事を変えればよいのかが分かりません。
本資料では、深い関心を、「相手の表面的な要望だけで終わらず、相手の仕事、判断条件、言葉になっていない制約、将来の状態まで、一次情報を通じて確かめ続けようとする注意と探索」として捉えています。
このように定義すると、関心は本人の内面だけにあるものではなくなります。
誰に会ったのか。何を尋ねたのか。どの行動を観察したのか。何をまだ分からないこととして残したのか。日常の仕事に表れる、確認可能な行動として扱えるようになります。
研修で直接教えるべきなのは「関心そのもの」ではありません。「相手への関心が生まれ、維持され、深まっていく経験のつくり方」です。



人は、組織の中で「注意を向けるように設計された仕事」に適応する

相手の背景や未来を見る人を増やそうとするとき、本人の問題意識だけを変えようとしてはいけません。人は、組織の中で、
- 日常的に割り当てられている仕事
- 明確な期限がある仕事
- 上司から繰り返し問われる仕事
- 実績として評価される仕事

へ、合理的に注意を向けます。
発生後の対応には期限があり、処理件数や対応速度が評価される一方、問題になる前の違和感を確かめる仕事に担当者や時間が設定されていなければ、発生型への対応が優先されます。
この状態は、本人が怠けている、考えていない、相手への関心を失ったという説明だけでは捉えられません。
何を見ることが、正式な仕事になっているのか。」を確認する必要があります。
したがって、発生型からの移行は、人の意識改革だけではなく、仕事が人の注意をどこへ向けているかを見直すことから始まります。



発生型・潜在型・設定型を、能力の上下関係にしない

発生型、潜在型、設定型は、優秀さの段階ではありません。
発生した問題へ速やかに対応することは、安全、品質、顧客対応、事業継続のために欠かせない仕事です。
一方で、対応後に背景を確かめなければ、発生条件は残ります。
将来の状態から問題を設定しても、実行中に予想外の事象が生じれば、再び発生型への対応が必要になります。
つまり、現実の仕事では、
- 発生型から潜在型へ進み
- 設定型から実行へ進み
- 実行中に再び発生型へ戻る

という往復が起こります。
重要なのは、発生型をなくすことではありません。
重要なのは、発生した問題を処理したところで、仕事全体を終了させないことです。
三つの型を一方向の成長段階ではなく、問題を処理し、確かめ、設定し直すための異なる仕事として扱うことで、発生事象を組織学習の入口へ変えられます。



深い関心とは、相手に近づき続けることではない

相手への関心を深めるという言葉は、相手の内面や私生活へ深く踏み込むことと誤解される可能性があります。
しかし、仕事における深い関心には境界が必要です。
相手の同意、仕事上の役割、機密情報、個人情報、心理的安全性を守りながら、その人が進めようとしている仕事を理解します。
見る対象を、「相手が何を要望しているか」だけに限定せず、
- 相手は何を進めようとしているのか
- 何を判断しなければならないのか
- 誰との調整が必要なのか
- その先で、誰のどのような状態を変えようとしているのか

まで広げます。
深い関心とは、感情的に相手を好きになることでも、相手の要求を無条件に受け入れることでもありません。相手の仕事を前へ進めるために、何をまだ知らないのかを自覚し、必要な一次情報を確かめ続けることです。この区別によって、関心を価値観の押しつけではなく、仕事上の探索行動として扱えるようになります。



反応差は、相手を評価するためではなく、自分の見立てを見直すために使う

相手の反応を見るというと、表情や態度から相手を評価することのように受け取られがちです。
しかし、本資料が扱う反応差は、相手の能力、性格、意欲を採点するためのものではありません。
自分の問い方、説明の順序、情報の渡し方、関わる時期を変えた後に、相手の言葉や行動がどう変化したのかを確認します。
反応が変わった場合には、「何が、相手の仕事に合っていたのか。」を考えます。
反応が変わらなかった場合には、「まだ、どの条件を確認できていないのか。」を考えます。
どちらも、次の事実確認を始める材料です。
反応差を成功と失敗に分けて評価すると、本人は「正しい関わり方」を探すようになります。
反応差を次の問いを生む情報として扱うと、本人は相手の仕事をさらに確かめるようになります。
この違いが、単発のコミュニケーション技法と、問題発見につながる実務経験を分けます。



「よい反応」の基準を、相手からの好意に置かない

- 相手が喜んだ
- 賛成してくれた
- 反対しなくなった
- こちらの説明を受け入れた

これらは、必ずしも相手の仕事が前進したことを意味しません。
反対に、
- 「この条件では、まだ判断できません」
- 「社内では、この点が障害になります」
- 「この情報があれば、次へ進めます」

という反応は、一見すると否定的に見えても、重要な前進である場合があります。それまで表面に出ていなかった判断条件や制約が言葉になり、次に確かめることが明確になったからです。
本資料における「よい反応」の基準は、「相手の仕事が、以前よりも前へ進んだか。」です。
相手に好かれることを目的にすると、迎合や過剰対応につながる可能性があります。
相手の仕事の前進を目的にすると、必要な異論、制約、不明点も含めて、仕事に役立つ反応として受け止められます。



相手の立場を想像することと、相手の視点を得ることは異なる

相手の立場で考えることは重要です。
ただし、自分の知識や経験だけを使って、「この人は、きっとこう考えている」「顧客は、これを求めているはずだ」「動かないのは、意欲がないからだ」と考えても、相手の実際の状況を正確に理解できるとは限りません。
必要なのは、相手を頭の中で再現することではなく、相手から情報を得ることです。
対話や観察を通じて、「相手が実際に言ったこと、行ったこと 自分がそこから解釈したこと まだ相手へ確かめていないこと」を分けます。
この区別がなければ、相手への関心が深いと思っていても、実際には自分の推測を詳しくしているだけになる可能性があります。
相手に成り代わって考えるのではなく、相手から学び、自分の見立てを修正することが、深い関心の基礎になります。



未来像の解像度は、絵を描けるかどうかでは決まらない

未来像の解像度という言葉から、頭の中に鮮明な映像を描ける能力を連想することがあります。
しかし、本資料が扱う解像度は、個人の視覚的な想像力や、絵の上手さではありません。
重要なのは、「未来を、他者と共有し、現実によって確かめられる状態として外在化できるか。」です。
文章であっても、「入社3年目の担当者が、月曜日の朝に変化へ気づき、指示を待たずに一次情報を確認し、二つの選択肢を持って相談している」と表せれば、観察可能な未来像になります。
一方で、精緻な画像があっても、「顧客体験を向上する」「共創型組織を実現する」「新たな価値を創造する」 という抽象語だけでは、誰の何が変わるのか、何によって確かめるのかが分かりません。
未来像の解像度を高めるとは、細部を増やすことではありません。目的、人物、場面、行動、証拠、現在から未来への経路を、一つの仮説としてつなぐことです。



未来を具体化する目的は、「正しい未来」を言い当てることではない

設定型の問題を扱う際、将来像を具体的に描くほど、
- 「本当にそうなるのか」
- 「その根拠は何か」
- 「例外が起きたらどうするのか」

と問われます。
そのため、反論されにくい抽象的な表現へ戻りたくなることがあります。
しかし、未来像は正解を宣言するものではありません。
現時点で確認できている事実をもとに、
- 誰のどのような状態を変えたいのか
- 現在、何が起きているのか
- 何が移行を妨げているのか
- 最初に何を変えるのか
- どの反応によって結果を確かめるのか

をつないだ、検証のための仮説です。
具体的であるほど、現実との違いを早く確認できます。
違っていた場合に修正できることが、未来像を具体化する価値です。
望ましい未来を美しく表現することよりも、小さく試し、実際の反応によって更新できることを重視します。



「関心」と「未来設定」は、一方向ではなく相互に深まる

本資料では、発生型から潜在型・設定型への移行を、一方向の成長過程として扱っていません。
一つ目の循環では、相手の仕事を確かめ、関わり方を変え、反応差を捉え、その理由を振り返ることで、さらに知りたい問いが生まれます。
二つ目の循環では、相手から得た一次情報をもとに現在と未来を具体化し、その間にある障害を明らかにし、小さく試した結果から未来像を更新します。
二つの循環は、次のように接続します。
- 反応差が、相手への関心を生む
- 関心が、未来像の解像度を高める
- 未来像が、問題設定と関わり方を変える
- 実践後の反応差が、さらに関心を深める

ここで重要なのは、関心を持ってから実践するだけではないという点です。
実践によって相手の反応が変わり、その理由を確かめたくなることで、関心が後から形成される場合があります。
この相互作用が、発生型への対応だけでは得にくい、問題発見と未来設定の経験を生みます。



研修は、抽象的な企業課題ではなく「一人の相手・一つの仕事」から始める

問題発見や未来逆算を扱う研修では、全社戦略、将来市場、顧客全体といった大きなテーマを設定しがちです。
しかし、対象が大きくなるほど、言葉も抽象的になります。
- 誰について確認するのか
- どの行動を見るのか
- 何を変えて試すのか
- どの反応から結果を判断するのか

が曖昧になるからです。
そこで本資料では、実在する一人の相手と、その人が進めようとしている一つの仕事を起点とします。
一人の相手を対象にすることで、現在の状態と望ましい未来を同じ粒度で比較できます。
一つの仕事を対象にすることで、自分が変えた関わり方と、相手の反応との関係を振り返れます。
研修の単位は、講義を聞いて理解することではありません。
実践する→ 反応を確認する→ 相手へ確かめる→ 振り返る→ 次の実践へ戻る」という一連の経験です。この経験を反復することで、抽象的な問題意識が、日常の仕事で使える問題発見と判断経験へ変わります。

AIが整った言葉を生み出せるほど、未来像の「検証可能性」が重要になる

生成AIは、将来構想、顧客像、課題、施策、ストーリーを短時間で文章化できます。
そのため、抽象的な言葉で構成された未来像であっても、完成度の高い提案に見える可能性があります。
しかし、表現が整っていることと、相手の実際の仕事が確認されていることは同じではありません。
AIに未来像を生成させる場合にも、
- 誰のどの状態を変えるのか
- どの一次情報に基づいているのか
- 何がまだ推測なのか
- 何を小さく試すのか
- どの反応から結果を確かめるのか

を、人と組織の側で定める必要があります。
リクエスト株式会社が2026年8月31日に公開した「判断デザイン|仕事設計編」では、AIを最終回答として置くのではなく、事実確認、比較、反証、選択を支える判断材料として仕事に位置づける必要性を示しました。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000226.000068315.html

今回の資料は、その考え方を、判断が必要になった後だけでなく、「何に関心を向け、何を問題として扱うのかが定まる前」まで広げたものです。

今回の12ページで新たに整理したこと

本資料では、これまで別々に語られやすかった「関心」「問題発見」「未来逆算」「人材育成」を、一仕事の経験として接続しました。
- 第一に、深い関心を、人柄や善意ではなく、相手の仕事を一次情報から確かめ続ける行動として捉え直しました
- 第二に、相手の反応差を、成果評価ではなく、次の事実確認を始めるための観測値として位置づけました
- 第三に、未来像の解像度を、映像を鮮明に思い描く能力ではなく、他者と共有し、現実で検証できる状態をつくることとして整理しました
- 第四に、反応差から関心を深める循環と、未来像から問題を設定する循環を接続しました
- 第五に、これらを講義内容にとどめず、一人の相手、一つの仕事を対象とする反復可能な研修単位へ落とし込みました。

判断デザインとの接続

判断デザインでは、良い行動の上流には良い判断があり、良い判断の前には事実確認があると考えます。今回の資料が扱う「相手の反応差」は、その事実確認を始める、さらに前の入口に位置づけられます。
- 相手の反応差に気づく
- まだ分からない事実を確かめる
- 取り組む問題を仮に設定する
- 基準を持って比較し、判断する
- 小さく実行する
- 相手の反応と結果から、問題設定と判断基準を更新する

この循環を一つの仕事へ組み込むことで、本人には成果物だけでなく、
- 何に着目したのか
- 何をまだ分からないと判断したのか
- なぜ、その問題を設定したのか
- どの関わり方を変えたのか
- 何の反応から見立てを更新したのか

という判断経験が残ります。
深い関心と未来像の解像度を育てることは、判断デザインの外側にある精神教育ではありません。
判断すべき問題を見つけ、形成し、実行後の学習へ戻すための仕事設計です。

本資料から導かれる問い

人に「もっと相手へ関心を持とう」と求める前に、 その人の仕事は、相手の反応差に気づき、次の事実確認と問題設定へ進める仕事になっているか。
関心を個人の資質に委ねるのではなく、相手の仕事が前へ進む経験を、日常の仕事の中へ組み込むことが重要です。

関連リリース

2026年9月1日公開:
「AI時代、なぜ組織で働く人は『起きた問題』にしか対応しないのか―相手の『反応差』から問題を発見・設定する11ページを公開」
発生型への偏りを個人の問題意識だけに帰さず、何が仕事として割り当てられ、期限を持ち、評価されているかという仕事設計から整理しています。今回の12ページは、その構造からどのように移行するかを扱う実務資料です。
2026年8月31日公開:
「AI時代、人材育成の鍵は『仕事設計』―判断経験が残る4つの仕事条件を5ページで公開」
判断へ切り替える地点、比較に使う基準、任せる範囲と相談条件、実行結果を次の判断基準へ戻す仕組みを、一つの仕事の中で設計する考え方を公開しています。

「判断デザイン」について

判断デザインとは、AIを含む仕事の中で、事実確認、問い、比較、選択、実行、結果確認、判断基準の更新が、本人、チーム、組織へ残るように仕事条件を設計する考え方です。
AIを使わず、すべてを人が考える仕事へ戻すものではありません。
AIによって省略してよい作業と、人と組織に残すべき判断過程を分け、仕事を速く進めながら、次の類似場面でも使える判断経験を形成することを目指します。



AI時代の「判断デザイン」を4層の実務体系として正式体系化 ― 組織行動科学(R)のリクエスト株式会社、企業向け教育・組織開発の共通基盤として運用開始 | リクエスト株式会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000222.000068315.html

商標について

「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計Pro」は、リクエスト株式会社が商標登録出願中です。



組織行動科学(R)について

組織行動科学(R)は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から解明し、より善く再現するための手段です。
リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織で働く成人の研究と教育開発を行っています。






会社概要

会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
事業概要:リクエスト株式会社は、「より善くを目的に」を掲げ、980社・33.8万人の働く人のデータに基づく「組織行動科学(R)」を基盤に、組織で働く成人の研究と教育開発を行っています。
公式サイトhttps://requestgroup.jp/
会社概要https://requestgroup.jp/corporateprofile


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