プレスリリース

循環を価値に変える「TADORi CHAiN」を提供開始。UPDATERが「サーキュラートレーサビリティ」を始動

リリース発行企業:株式会社UPDATER

情報提供:

ビジネスで社会課題解決を目指す株式会社UPDATER(所在地:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)は、製品が「どこで作られ、どう使われ」、「本物であるか」、そして「環境負荷はどれくらいか」といった情報をデジタルで記録・証明し、モノの循環を支える取り組みを「サーキュラートレーサビリティ」と名づけ、推進しています。これは、製品の流れを一方向に追跡する従来のトレーサビリティとは異なり、販売後もリユースや修理を通じて製品の来歴や本物である証明を引き継ぎ、まだ使える製品を資源として長く社会で活かし続けることを目指す考え方です。その第一弾として、繊維・アパレル産業向けのサービス「TADORi CHAiN(タドリチェーン)Powered by Coral(以下、TADORi CHAiN)」の最新版を、本日9月4日に提供を開始しました。



欧州では2026年7月から、大企業を対象に売れ残った衣料品・履物の廃棄が禁止されるなど、大量生産・大量廃棄からの転換が世界的に進んでいます(※1)。国内でも中古品(リユース)市場は15年連続で拡大し、約3.3兆円規模に達しました(※2)。政府も、サーキュラーエコノミー関連ビジネスの国内市場規模を2030年に80兆円へ拡大する目標を掲げています(※3)。こうしたなか、新たに採掘する「地下資源」ではなく、すでに社会にある衣料品などの「地上資源」を活かし、リユース(二次流通)を新たな収益に変える循環型ビジネスへの移行が求められています。TADORi CHAiNは、製品がどのように作られ使われてきたのかという履歴や、「本物であること」をデジタルで証明・記録し、この移行を支えます。本サービスは2024年10月にYOKE 青山店(旗艦店)で先行提供を開始し、複数ブランドでの実証を経て、今回の正式リリースに至りました。

本取り組みは、テクノロジーを活用し、2031年までに60億件のトランザクションを証明・検証・可視化するUPDATERの「60億の“顔の見える”化プロジェクト」の一環です。

※1 欧州委員会/オルタナ|EUが売れ残り衣類・履物の廃棄禁止に関する委任規則・実施規則を採択(2026年2月9日)。廃棄禁止はエコデザイン規則(ESPR)第25条にもとづき、大企業は2026年7月19日から適用開始、中規模企業(従業員50〜249人等)は2030年7月19日から適用、小規模・零細企業は適用除外|2026年2月|https://www.alterna.co.jp/168098/
※2 リユース経済新聞|「リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)」。2024年に約3兆2,628億円で15年連続拡大、ファッションリユース市場(衣料・服飾品6,392億円+ブランド品4,230億円)は初の1兆円超え|2025年9月|https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_11719.php
※3 経済産業省|「成長志向型の資源自律経済戦略」|2023年3月|https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shigen_jiritsu/pdf/20230331_1.pdf

「サーキュラートレーサビリティ」とは

トレーサビリティは本来、原材料がどこから来て、どのように製品になったかをたどり、製造・流通の透明性を確保するための仕組みです。

サーキュラートレーサビリティは、この考え方に、製品が販売された「その後」の視点を重ねたものです。誰の手に渡り、どう使われ、修理され、次の持ち主へと引き継がれ、最後にどう再資源化されるのか。この一連の流れまで記録し、各段階で製品の価値を証明・可視化していく考え方を、UPDATERは「サーキュラートレーサビリティ(循環型トレーサビリティ)」と定義します。

サーキュラートレーサビリティは、大きく3つの要素で成り立ちます。

・証明:製品が本物であることを示します
・記録:生産から使用・リユース・再資源化までの履歴を残します
・見える化:環境負荷や来歴などの公開情報を、誰もが確認できるようにします

この3つを、作る段階(上流)から使った後(下流)まで途切れなくつなぐことで、事業者は二次流通を新たな収益に変え、消費者は安心して製品を長く使い続けられるようになります。

▲サーキュラートレーサビリティの全体像

背景:「大量廃棄」から「循環でマネタイズ」する時代へ

いま、大量に作って大量に捨てる「直線型」(作る・使う・捨てるが一方通行で終わる)の経済モデルが、資源価格の変動や規制の強化といった壁に直面しています。欧州では、2024年に成立したエコデザイン規則(ESPR、Regulation (EU) 2024/1781)にもとづき、売れ残った衣料品・履物の廃棄が禁止されました。EU市場に製品を投入する大企業には2026年7月19日から適用されており、中規模企業(従業員50〜249人等)は2030年7月19日から適用、小規模・零細企業は適用除外とされています。
こうした流れは今後、日本の事業者にも影響が及ぶ可能性があります。そこで注目されているのが、新たに採掘する「地下資源」ではなく、すでに社会にある衣料品などの「地上資源」を活かす考え方です。

とりわけ日本の繊維・アパレル産業は、供給を海外からの輸入に大きく依存しています。経済産業省の資料によれば、2022年の衣類の輸入浸透率は数量ベースで98.5%に達しています(※4)。海外からの調達に依存する構造は、為替や資源価格の変動の影響を受けやすく、すでに社会にある地上資源の再利用・再流通は、環境負荷の低減とともに、変動に左右されにくい調達につながる経済合理的な選択肢となります。

フリマアプリや海外通販が日常化するなかで、製品がどのように使われてきたかという情報だけでなく、「本物であること」を証明できる仕組みへのニーズも高まっています。UPDATERが2026年5月に行った調査(※5)でも、次のような結果が出ています。
- 約85%が「履歴(来歴)が分かる製品は、購入の後押しになる」と回答
- 約6割が中古品や海外通販で「本物かどうか分からないこと」に不安を感じている

新品を買う段階から「将来リセールすること」を意識する消費者も増えており、「本物であることの証明」は、単なる偽物対策にとどまらず、購買意欲や製品の資産価値を左右する要素となっています。日本には古くから茶道具の「箱書き」のように、モノの由来や作り手の想いを次の世代へ受け継ぐ文化があり、製品の履歴を確かな形で残すことは、こうした文化の継承を支える基盤にもなり得ます。

一方で、多くのブランドでは収益の中心はいまも新品販売(一次流通)にあり、リユースや回収・再販売といった二次流通を収益として取り込む仕組みは、十分に確立されているとは言えないのが現状です。その背景のひとつが、システムの分断です。これまでのトレーサビリティは、原材料や製造工程を管理する「作る側のシステム(上流・BtoB)」と、販売後の所有やリセールを管理する「使う側のシステム(下流・BtoC)」が別々に構成されるケースが多く、製品のライフサイクル全体をひとつのシステムで管理できるサービスは限られていました(公開情報に基づく当社調べ・2026年8月時点)。

▲DPPの構築パターン

※4 経済産業省 製造産業局 生活製品課|繊維産業の現状と政策について(2022年の衣類の輸入浸透率は数量ベースで98.5%)|2024年9月|https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/pdf/240904-4.pdf
※5 株式会社UPDATER「DPP(デジタルプロダクトパスポート)に関する消費者意識調査」(調査方法:インターネット調査/調査対象:全国の男女/有効回答数:n=1,000/調査期間:2026年3月29日〜30日)|2026年5月|https://www.updater.co.jp/news/pressrelease/20260515/

最新版「TADORi CHAiN」のサービス概要         

TADORi CHAiN の原点は、UPDATERが「顔の見える電力」で培ってきた思想にあります。電気を「誰が、どこで、どうつくったか」までたどれるようにしてきた考え方を、「モノ」に広げ、使い終わった後の循環までつなげる取り組みです。

TADORi CHAiNは、製品に取り付けた二次元バーコード等を通じて、「どこで作られ、誰の手を経て、どう修理やリユース・リサイクルされたか」という来歴(製品がたどってきた履歴)を、改ざんが極めて困難なブロックチェーンで記録し、スマホからいつでも確認できる証明書として発行・管理できるサービスです。上流と下流のシステムの分断を解消し、製品の誕生から再資源化までを1つのデータとしてつなぐことで、ブランドは二次流通でも自社製品の価値を守り、リユースを新たな収益に変えながら、循環型ビジネスへとスムーズに移行できるようになります。開発には繊維・アパレル産業に精通した専門家が関与し、業界の文化・商習慣・課題への深い理解を強みとしています。

<サービス名>
TADORi CHAiN(タドリチェーン)Powered by Coral

<提供開始>
2026年9月4日(金)

<対象>
繊維・アパレル産業のブランド・メーカー・リテール(将来的に家具・家電など他分野へ拡大予定)

<導入実績・実証実績 >

YOKE(ヨーク)、ARCH&LINE(アーチアンドライン)、BLINDMAN TOGS(ブラインドマントグス)、Sustainable Mongol(サステナブルモンゴル)など海外輸出のあるアパレルブランド、および海外取引のあるサプライヤー企業で実証を実施しています。

「TADORi CHAiN」4つの特徴              

1.「作る段階」から「使った後」までをつなぐ循環型トレーサビリティ
原材料や製造といった「作る段階」から、販売後の修理、リユース、リサイクルなどの「使われた後の段階」まで、製品の一生涯の履歴をひとつのシステムでまるごと記録・管理します。「作る側(上流・BtoB)」と「使う側(下流・BtoC)」のデータを途切れずにつなぐことで、リユースを収益につなげる循環(サーキュラー)を支えます。一般的には上流か下流のいずれかを対象とする仕組みが多いなか、その両方をひとつの基盤でつなぐ点が特徴です(公開情報に基づく当社調べ・2026年8月時点)。

2.「本物であること」と「正しい持ち主」の証明(真贋証明)
製品が本物(正規品)であることに加え、「今、正しい持ち主の手元にあるか」まで証明します。真贋の証明は、「現在の正しい所有者」「発行者であるブランド」「製品に紐づくパスポート」の3つが一致して初めて成立する仕組みです。改ざんが極めて困難なブロックチェーン上で、正当な持ち主だけが「毎回仕様が変わる二次元バーコード」を発行できるため、証明書の複製やなりすましによる不正な転売を抑止し、二次流通での価値を守ります。

3.製品・ロット単位ごとのGHG排出量の見える化
素材・生産場所・移動手段などの情報をもとに、国際基準(GHGプロトコル製品算定基準等)に沿って製品・ロット単位ごとのGHG排出量を算定し、見える化します。製造業では、排出量の大部分が原材料調達から配送までのサプライチェーン(Scope3)で発生するとされており(※6)、この範囲を正しく把握することが重要です。原材料から配送までを含めた排出量(Scope3)を可視化することで、企業としての環境データ開示はもちろん、顧客に対して製品の環境負荷を具体的な数値で示す根拠としても活用可能です。なお、GHG排出量の算定・開示に必要なGHG排出係数のライセンス料金は、本サービス利用者のご負担となります。

▲DPPの仕組み

※6 環境省|サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン/グリーン・バリューチェーンプラットフォーム(サプライチェーン排出量はScope1・2・3の合計で、多くの企業で排出量の大部分がScope3に集中)|https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/index.html

4.欧州ルールを見据えたトレーサビリティ情報の管理(DPP対応)
欧州で導入が進むDPPで必要となる製品情報をまとめて登録・管理できます。原材料や製造工程などの履歴(トレーサビリティ)を一括管理し、海外展開する繊維・アパレル産業ブランドのルール対応への備えを支援します。なお、繊維・アパレル分野のDPPの具体的な要件は、今後採択されるESPRの委任規則により確定します。本サービスは、2026年8月時点で公表されている欧州委員会の準備調査等をふまえた項目設計としています。DPPへの対応は、サーキュラートレーサビリティを構成する機能のひとつとして提供します。
TADORi CHAiNのサービス詳細については、概要資料(PDF)をご参照ください。https://shiftc.jp/contents/wp-content/themes/good_on_you/assets/pdf/202606_tadorichain.pdf

展望:規制対応から、地上資源を活かす循環型ビジネスへ  

TADORi CHAiNは、繊維・アパレル産業を起点に、家具・家電、ジュエリーなどリセール市場との親和性が高い分野へと展開を拡大します。上流のサプライチェーン管理から、販売後の本物証明・リセール・修理・再資源化までを1つのシステムでつなぐことで、地上資源を循環させ、日本ならではのリセール文化や消費者のニーズに対応した循環型ビジネスの普及を目指してまいります。国や自治体、資源循環に取り組む企業とも連携し、循環型経済への移行を共に進めてまいります。

UPDATERが目指すのは、環境への配慮を「コスト」ではなく「収益の源泉」へと変えることです。社会課題の解決と事業の利益を両立させる、いわゆるCSV(共通価値の創造)の考え方を、現場で実践できるよう支援してまいります。また、この「サーキュラートレーサビリティ」を今回のTADORi CHAiNにとどまらず複数のパッケージへと広げ、消費者がより良い選択をし、「本物である安心感」や「作り手のストーリーを知る楽しさ」、「長く大切に使い続けられる体験」を得られる仕組みも検討を進めています。

調査レポートの無料公開について

UPDATERが2026年5月に実施した「DPP(デジタルプロダクトパスポート)に関する消費者意識調査」の詳細レポートは、法人向けSX支援サービス「みんなSX for Biz」にて無料公開しています(会員登録制)。本レポートには、全設問の詳細データ、来歴情報が購買に与える影響分析、DPP導入に向けた示唆など、事業検討にご活用いただける内容を収録しています。
▼ダウンロードはこちら(無料) https://sx.updater.co.jp/library/48

株式会社UPDATERについて

2021年10月1日にみんな電力株式会社から社名変更。法人・個人向けにトレーサビリティや透明性を軸にしたサービスを提供し、社会課題解決に取り組む。世界で初めて電力トレーサビリティを商用化した脱炭素事業「みんな電力」、労働市場をウェルビーイングで変革する「みんなワークス」、ブランドのエシカル度を評価・公表する「Shift C」、商品の背景やストーリーをもとに購買できるEC「TADORi」、人・社会・環境に配慮した商品を扱う「みんな商店」、土壌再生に向けた社会全体の行動変容を促す「みんな大地」などを展開。第4回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞、日本で3社のみのCDP認定再エネプロバイダー、エナジープロバイダーとしてB Corp認証を受けるなど受賞・認証多数。

株式会社UPDATER 会社概要
所在地:東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル8F
代表取締役:大石 英司
設立:2011年5月25日
資本金:1億5,382万5,500円(資本準備金1億9,773万9,500円)※2025年12月19日現在
事業内容:脱炭素事業「みんな電力」ほかウェルビーイング、生物多様性等のSXサービスを展開
コーポレートサイト: https://www.updater.co.jp/
※本リリースに記載の会社名、サービス名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

■本件に関するお問い合わせ 
<報道関係>
株式会社UPDATER 戦略広報チーム(邉見・豊島)
TEL:03-6805-2228(平日11:00〜15:00)
E-mail:pr@minden.co.jp

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