プレスリリース

AI時代、センスを磨く前に「何をよいとするか」を問う ― 8領域・8つの検討軸を図解10枚で公開

リリース発行企業:リクエスト株式会社

情報提供:

980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑 智康)は、仕事や暮らしで「センス」と呼ばれる働きを、対象領域、具体的な働き、評価の基準、実際の影響に分けて捉える「センスの多軸検討フレーム」を、10枚の図解と解説資料で公開します。

本資料では、センスを「ある人と、ない人を分ける才能」として扱いません。一人ひとりが経験の中で形づくってきた見方を出発点に、どのセンスを、誰の、どのような状態のために、どの方向へ磨くのかを具体化します。

前回の公開資料「AI時代、『センス』で仕事の説明を終わらせない」では、目的形成と判断を、他の人も学び、試し、更新できる仕事の過程として整理しました。今回は、その過程を何のために使い、どの方向へ育てるのかへ検討を広げています。

「うまくできること」と、「何をうまくできるようになるべきか」は、同じ問いではありません。
知識・スキル・経験を切り離さず、学ぶ対象と方向そのものを検討できるようにすることが、今回の提案の中心です。



「センスを磨こう」の前に、何を学ぶのかを具体化する

「説明のセンスがある」「企画がうまい」「もっと相手に合わせて考えてほしい」。こうした評価や期待を、学習につながる言葉へ変えるには、どの場面で何が行われていたのかを確かめる必要があります。
例えば、「伝わる資料をつくる」という仕事でも、文章を整えること、比較条件をそろえること、受け手が判断できる順序に構成することでは、学ぶ内容が異なります。
本資料では、「その人にはセンスがある」という評価で終えず、何に気づき、何を確かめ、何を基準に選んでいたかを具体化します。同時に、その働きを支えた知識や技能、情報、時間、道具、周囲の支援も検討対象にします。



その人なりの見方があることと、今回の仕事に合うことを分ける

本資料は、センスを、経験と環境の中で形成・更新される「見方と判断の傾向」として扱います。これは当社の作業定義であり、人の感覚や創造性を一つの能力で説明したり、個人差の原因を経験だけに限定したりするものではありません。
大切にするのは、今ある見方を否定することではなく、その見方が今回の目的や条件に合っているかを確かめることです。
過去に評価された方法でも、相手、仕事の目的、利用場面が異なれば、確認し直す必要があります。「自分らしいこと」「他と違うこと」「相手や仕事にとって価値があること」を、一つにまとめずに検討します。



8領域は、人物を分類するためではなく、学ぶ対象を見つけるために

今回の資料では、仕事や暮らしの中でセンスと呼ばれる対象を、代表的な8領域に整理しました。
領域を分けるのは、「この人は何タイプか」を判定するためではありません。何についての違いを捉え、どのような知識や技能を使っているかを具体化するためです。
一つの仕事には、複数の領域が関わります。例えば、資料制作には言語・表現だけでなく、相手との共働、業務の理解、問いの構想などが関係します。得意な領域があることを、別の領域でも同じように判断できる証拠にはしません。



同じ領域の中でも、「何をしているか」を取り出す

対象となる領域が分かったら、その場面で行っている働きを見ます。
例えば、「会議での対人センス」を考えるなら、相手の発言が途切れたことに気づいたのか、その理由を確かめたのか、問い方や確認する場を変えたのかを分けます。さらに、その関わり方が相手の意図に合っていたかは、別に確認します。
本資料では、こうした働きを八つに整理しています。ただし、必ず順番に通る手順ではありません。実際の仕事では、複数の働きが重なり、行き来します。
領域は「何についてか」、働きは「何をしているか」、検討軸は「何を確かめるか」。
この二つを分けることで、学ぶ対象を、人全体の評価から具体的な実践へ移します。



巧みさ、人気、有用性、望ましさを、一つの評価にしない

何をしているかが分かっても、それだけでは磨く方向は決まりません。そこで、目的、評価、影響、成立条件、学習の機会を分けて考える8つの検討軸を設けました。
例えば、会議資料が「簡潔で、承認されやすい」と評価されたとしても、導入後の運用負担まで検討されていたとは限りません。「承認されたか」に加え、「誰が何を判断できたか」「実行する人に必要な条件がそろっていたか」を確かめる必要があります。これは、全文資料に収録した仮想例の論点です。
8軸は、人物の総合点や順位をつくるためのものではありません。今回、何を確認すれば判断できるのかを明らかにするための問いです。
また、安全や権利などの守る条件と、時間や費用などの比較基準を分けます。ある点で高く評価できることを、別の重大な不利益を見過ごす理由にはしません。



「社会的に必要」とは、誰にとっての、何か

本資料が重視するのは、本人にとっての意味、社会からの需要・承認、仕事での有効性、社会的な望ましさを分けることです。
例えば、購入を決める人、実際に使う人、運用する人、費用を負担する人は、同じとは限りません。評価する人の満足だけで、関係者全体への影響を判断することはできません。
そのため、「社会が求めている」という言葉を使うときにも、誰が求め、誰が評価し、誰が便益や負担を受けるのかを具体化します。意見の違いがあれば、無理に一つの答えへまとめるのではなく、何が一致し、何が未解決かを残します。
求められることは、それだけで望ましいことの証明にはなりません。一方、広く求められていないことも、価値がないことの証明にはなりません。



「必要とされない」を、無価値という判断に直結させない

必要な人はいるが届いていない場合と、必要とする人が少数である場合では、確かめるべきことが異なります。また、本人が楽しむ鑑賞や表現を、他の人の仕事に役立つかどうかだけで測る必要はありません。
一方、求められ、魅力的に見える働きでも、使い方によって不利益が大きくなるなら、目的や条件を見直します。まだ価値が分からないものは、無価値とも将来の成功とも決めつけず、探索、保留、検証を選びます。

個人にとって意味があることと、組織として採用・投資することも区別します。組織が資源を配分しない判断をしたことを、その人の感覚や活動そのものの否定にはしません。



磨くとは、今の見方を強めることだけではない

学ぶ方向として、本資料は「深める」「広げる」「組み替える」「範囲を知る」の四つを示します。
例えば、説明をより巧みにすることに加えて、これまで確認していなかった運用担当者の条件を知ることも学びです。「承認される資料」から「関係者が条件を比較して判断できる資料」へ、よさの基準を検討し直すことも含みます。
また、自分の見立てだけでは判断できない範囲を知り、専門家への相談や追加確認を選べるようになることも、学ぶ方向の一つです。四つに上下関係はなく、確かめたうえで現在の判断を維持することも選択肢に含めます。
本人に学習を求めるだけでなく、必要な情報、時間、道具、権限、支援が整っているかも検討します。何を見られ、何を選べて、何が評価される仕事になっているかを、組織側の課題として扱います。



アート思考と判断デザインで、学ぶ方向を一仕事へつなぐ

当社のアート思考は、未確定なものを形にし、素材・他者・状況との応答から、見方・問い・価値仮説をつくり直す実践です。今回の枠組みでは、「誰の評価を当然としていたか」「何をよいと考えていたために、別の可能性を見ていなかったか」を検討するために使います。
判断デザインでは、その見方を実際の仕事で使うために、必要な事実、比較、守る条件、権限、責任、結果確認を整えます。新しい見方が生まれたことだけを、採用すべきだという根拠にはしません。
判断経験設計では、本人の確認・選択・実行・結果をつなぎ、何を変え、何を維持し、何を学んだかを次の仕事へ残します。
三つは、固定した直列工程ではありません。既存の基準が適切なら使い、知識が足りなければ学び、前提が現実に合わなければ探索へ戻ります。
再現できることと、再現すべきことも違います。
学べる過程をつくるだけでなく、その目的と影響を確かめ、どのような仕事を次の人へ引き継ぐかまで検討します。



AIとの共働でも、案だけでなく「よさの基準」を検討する

今回の枠組みは、AIがつくった案を比較するときにも使います。案の数や見栄えだけでなく、誰の目的を満たし、何を前提にし、誰に負担を与える可能性があるかを検討します。
例えば、AIには次のように依頼します。
この案について、誰が求めているか、誰が使うか、誰が負担するかを分けてください。確認済みの事実と推測を区別し、現在の「よさ」の基準で見落としている可能性と、実際に確かめる必要があることを整理してください。
ただし、AIが示す想定反応は、実際の当事者の声ではありません。AIに別の見方を出してもらうことと、相手や現場で確認することを分けます。
AIとの共働に必要な知識や技能も、実践の中で学び直す対象です。成果物がよくなったこと、本人が学んだこと、人とAIの組合せでできることが増えたことを、それぞれ確認します。

活用は、一つの仕事を選ぶところから

本枠組みは、企業・行政・非営利組織などでの企画、資料制作、共働、業務改善、人材育成を主な活用場面としています。
最初からすべての軸を詳しく埋める必要はありません。「資料のやり直しを減らしたい」「相手が判断しやすい説明にしたい」など、実際の一仕事から始めます。
対象となる場面と働きを特定し、重要な未確認事項を選び、誰へ何を確かめるかを決める。その結果から、目的、基準、方法、必要な学習を見直します。前回公開した8段階の参照プロセスに、今回の問いを組み込む進め方です。
単にうまくできるようになるだけでなく、自分が何をうまくできるようになろうとしているのか、その方向自体も検討できる仕事をつくる。
当社は、この考え方を、アート思考・判断デザイン・判断経験設計の実践へ接続していきます。

資料ダウンロード|図解・本文統合版

センスを磨く前に、何をよいとするかを問う
8つの領域と8つの検討軸で、学ぶ方向を具体化する
本リリースに掲載した10枚の図解と本文解説をまとめた「図解・本文統合版」を公開します。
領域・働き・検討軸の整理に加え、既存の8段階の参照プロセスへの組み込み方、AIとの共働、実践後の確認、組織が整える条件を収録しています。
付録には、一仕事の確認シート、会議資料を題材にした仮想の記入例、研究知見と本提案の対応表を掲載。主な参考文献・公的資料9件と、基礎となる自社公開資料への参照先もまとめています。
ご自身の仕事の振り返り、社内の勉強会や研修、企画・資料制作・人材育成の進め方を検討する際にご活用ください。
図解・本文統合版をダウンロード(PDF)
d68315-250-c1dae1b69ebfbbe11269aabc0ea98e55.pdf※確認シートは採点表ではありません。業務上必要な範囲で使用し、私生活や個人的な価値観の開示を一律に求めない設計としています。

本資料の位置づけ

本資料は、当社の既公表資料と、熟達、創造性、注意、価値に配慮した設計、他者理解、AI利用に関する研究・公的資料を接続した実務提案です。
センスの作業定義、8領域、働きの整理、8つの検討軸、学ぶ方向の区別は、当社が実務で検討するために整理したものです。網羅性や測定上の妥当性・信頼性、実践全体の効果を実証した尺度ではなく、個人の能力・性格・道徳性の診断や、人物の総合順位づけを目的としていません。
全文資料では、研究による知見と、宣言・ガイドラインなどの規範的な資料を区別し、それぞれが支える論点と、直接には言えないことを示しています。記載した仮想例は、方法を説明するためのもので、実測した改善事例ではありません。

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AI時代、「センス」で仕事の説明を終わらせない ― アート思考と判断デザインで、目的形成と判断を学べる実務へhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000249.000068315.html



目的形成と判断を、他の人も学び、試し、更新できる8段階の参照プロセスとして整理した前回の資料です。今回の提案は、この過程を置き換えるものではなく、目的・評価・影響を検討する問いを加えるものです。



組織行動科学(R)について

組織行動科学(R)は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から明らかにし、より善く再現するための研究・実践体系です。
リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、企業で働く成人の研究と教育開発を行っています。






リクエスト株式会社について

リクエスト株式会社は、組織行動科学(R)を基盤に、企業で働く人の行動、判断、経験形成、組織学習に関する研究と実践支援を行っています。

代表取締役の甲畑智康は、2003年に東京藝術大学美術学部を卒業後、企業の人材育成・組織開発に20年以上携わってきました。芸術における創造の過程と、企業における判断形成の双方を背景に、AI時代の「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計Pro」の体系化を進めています。



会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
公式サイトhttps://requestgroup.jp
会社概要https://requestgroup.jp/corporateprofile
お問い合わせhttps://requestgroup.jp/request


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