秋葉原駅近くに本社を置く山崎製パン(千代田区岩本町3)は11月7日、不二家(文京区)の第三者割当増資を引き受けると発表した。今月27日に実施する。
不二家は昨年1月以降、賞味期限切れの原料使用問題に端を発した一連の騒動により休止状態にあった生産・販売を同年3月下旬から順次再開。山崎製パンは、AIB食品安全システムの導入や業務資本提携契約の締結、不二家発行の第三者割当増資の引き受け、役員の派遣など不二家に対して支援を行ってきた。
しかし、人口減少・少子高齢化による市場の縮小や、原材料価格の高騰、消費マインドの冷え込みなど、不二家を取り巻く経営環境は厳しく、業務回復の対策を講じる上で、更なる支援が必要な状況であると認識。これにより、業務資本提携契約を締結し、山崎製パンが不二家の本第三者割当増資を引き受け、不二家を子会社化することを決めた。
今回の第三者割当増資で、山崎製パンは約78億7,000万円を出資、出資比率を35%から51%に引き上げる。
業務資本提携の内容は、食品安全衛生管理体制の整備をはじめ、両社製品の相互販売、相互OEM生産、販売拠点の共同開発、経営管理体制の強化などで両社の関係を強化し、シナジー効果を向上。事業再生を急ぐ。