秋葉原に拠点を置く富士ソフト(本社=横浜市中区)は4月28日、筑波大学とのクラウド基盤に関する共同研究について、実証環境での運用を開始したことを発表した。
両者が進めている「ディペンダブルな自律連合型クラウドコンピューティング基盤の研究開発」は昨年4月に総務省の公募に採択。同社は産官学連携活動の一環として、筑波大学と共同でクラウドコンピューティングを構成する「クライアント環境」「サーバ環境」「ネットワーク環境」の3つの環境でディペンダビリティ(インフラの信頼性、保全性、可用性が高いこと)を有する基盤システムを構築することを目的に研究を開始。研究期間は2009年から3年間で、2012年以降の実用化を目指す。
昨年度は主にクライアント・サーバ・ネットワークの各環境で、ディペンダビリティを実現するための基礎技術の開発や改良に重点を置き、研究を実施。今年度からはこれまでの研究結果を基に、それぞれの環境におけるシステムを統合して稼動させるため、実際のデータセンター群を活用した環境で実証実験を行い、来年度に実用に近いレベルの統合システムを完成させる予定。実証環境は同社のデータセンター3拠点(東京、横浜、福岡)を使用する。
同社は、将来的に研究成果をクラウドコンピューティング基盤の技術提供と製品化に活用する予定だという。