矢野経済研究所(中野区)が1月15日、「『オタク』市場に関する調査結果 2015」を発表した。
調査の「オタク」市場は、アニメ、漫画、ライトノベル、同人誌、プラモデル、フィギュア、鉄道模型など、一定数のコアユーザーを有するとみられ、秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツや物販、サービス19分野。
調査期間は昨年8月~10月。調査方法は、同研究所専門研究員による直接面談、電話・ファクスによるヒアリング、消費者アンケート調査、文献調査など。
同研究所によると、2014年度の「オタク」市場を分野別に見ると、アイドル市場が前年度比 37.4%増の1,186億円、エアソフトガンとモデルガン・サバイバルゲーム市場が同10.8%増の144億円と前年度比二桁増となった。
同研究所はその要因として、アイドル市場はジャニーズやAKB48グループなどのコアファンが市場を支え、さらに拡大させているほか、複数のアイドルグループの台頭により市場が拡大。モデルガン・サバイバルゲーム市場は2013年度以降、都心でもサバイバルゲームを楽しむ環境が整い、初心者や女性層の取り込みに成功しているためとしている。
このほか、不正利用や参入事業者とコンテンツの減少により縮小傾向が続くアダルトゲームやAV市場なども縮小幅は緩やかになった。2014年度の「オタク」市場全体としては、好調に推移した結果となった。
同調査に関連した消費者アンケート調査では、「自分を『オタク』だと思いますか、もしくは人から『オタク』と言われたことはありますか」という質問に対し、「オタク」を自認する、もしくは第三者から「オタク」と認知されている層は 21.1%。オタク認識層のうち既婚者(過去に結婚有を含む)層は 37.9%、未婚者層は 62.2%だった。
さらに、アンケート調査からオタクとされる層について、一人あたりの年間平均消費金額を19分野別に算出。最も高い金額を示したのは「アイドル」分野で、7万4,225円。次いで「鉄鉄道模型」=49,721円、「コスプレ衣装」=4万7,530円となった。
一世帯あたりの平均年収額は「鉄道模型」が約693万円と最も高く、「アダルトゲーム」の約457万円が最も低かった。
調査結果の詳細は「クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究 2015」(税別12万円)に掲載されている。