日立製作所電機グループ(千代田区)は4月1日、秋葉原ダイビルにある交通システム事業部内に「東京エンジニアリングセンタ」を開設する。
同社はこれまでに鉄道車両、車両用電気品のほか、運行管理システム、なども手がける国内唯一(同社)の鉄道総合インテグレータとして、日本の鉄道インフラ発展に携わってきた。近年では英国ドーバー海峡連絡線に使用される国内サービス専用車両で、車体、電気品、保守サービスを一括受注するなど、車両と電気品を一括で取りまとめることができる強みを生かし、多様な顧客ニーズに応えるソリューションを提供している。また、同社が製造するアルミ製鉄道車両「A-train」は国内で約1,100両の納入実績をもつほか、車両用電気品は新幹線、特急をはじめ通勤用車両などのさまざまな車両に採用されている。
今回新設する「東京エンジニアリングセンタ」は、事業部機能を担う車両システム本部・輸送システム本部(千代田区)、鉄道車両の設計・製造拠点である笠戸交通システム本部(山口県下松市)、車両用電気品等の設計・製造拠点である水戸交通システム本部(茨城県ひたちなか市)など、交通システム事業部のエンジニアリング力を統合すると同時に、国内の研究所や社外からも人材を投入する予定。
これにより、同社では鉄道車両や車両用電気品の受注前の技術提案、設計支援から仕様決定まで、これまで国内の複数の事業所で分担してきた機能を秋葉原に統合し、提案力を強化することで顧客のニーズに即応できる体制を確立する構えだ。