九十九電機(千代田区)は11月21日、NECリース(港区)の担保権実行により、営業を一時中断せざるおえない状況に至ったと発表した。
九十九電機は10月30日の民事再生手続開始の申し立ての後、店舗営業を継続し再建に向けて努力していた。しかし、店舗と倉庫内の商品の集合動産譲渡担保権を有しているNECリース(港区)は、同担保権を実行する旨の通知を九十九電機に通達。九十九電機は裁判所から仮処分決定を受けた。これにより、九十九電機は営業を一時中断せざるを得ない状況に陥った。
同社は、営業の一時中断を回避するため、NECリースを相手方として東京地方裁判所に対し、担保権実行手続中止命令の申立てを実行。同審尋期日が21日17時30分に東京地方裁判所で開かれることになっていたが、NECリースは審尋期日前に担保権を実行。
九十九電機は同件に関して「NECリースの大株主である日本電気とは、30年以上に及ぶ取引をさせてもらい、多くのパソコンを販売させもらってきた。また、弊社の社員にもたくさんのNECファンがいる。その日本電気の関連企業が、民事再生法の下、取引先様、お客様、そして社員が精一杯再建に努めている弊社に対し、営業を一度中止せざるを得ない行動を取られたことが残念でならない」とコメントしている。
秋葉原の九十九電機各店舗はシャッターが下り、営業を一時中断。九十九電機本店では荷物が運び出されるなどしており、街行く通行人は足を止めてその様子を見守っていた。