凸版印刷(千代田区神田和泉町)は11月6日、カシオ計算機(渋谷区、以下カシオ)と中小型ディスプレー事業に関して協業することで合意したことを発表した。
中小型TFT液晶ディスプレー事業の技術・製造設備とともに、TFTによる有機EL駆動技術を有しているカシオと、印刷法による有機ELディスプレーの製造に欠かせない微細加工技術を得意としている凸版印刷は、これまで有機ELディスプレー共同開発を行ってきたが、同商品の早期量産化を目指して、今回の協業・新会社設立に至るという。
新会社では、両社の技術を用いて、高品質・低コスト化が可能な有機ELディスプレーを早期に量産化するほか、カシオの中小型液晶ディスプレー事業ノウハウを生かして、有機ELディスプレーの用途を開発。カシオの既存顧客を中心に早期の販売開始を目指す。
今後の予定は、カシオが、来年2月末までに100%出資の新会社を設立し、2010年4月1日に会社分割によりカシオの中小型TFT液晶ディスプレー事業と有機EL開発の設備、人員を承継。併せて高知カシオの全株式も承継し、新会社の100%子会社に。その上で、同年4月1日を目標に新会社の株式の80%をカシオから凸版印刷に譲渡する予定。