東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎(千代田区神田佐久間1)で11月12日、同人誌即売イベント「文学フリマ」が開催された。
イベントはアニメ・漫画などを販売する同人誌即売会と異なり、それらに属さない詩や小説、研究文などの「文学」作品の同人誌をメーンに販売するもの。2002年、小説・評論化の大塚英志さんの呼びかけが発端となり第1回目が開催されてから5回目となる今回は190組の申し込みがあり、希望者の中から抽選で当選した158組が出店した。
出店者は学生や個人、社会人サークルや定年を迎えた人々から成るサークルのほかプロやセミプロなど様々で、同人誌「メルボルン」を創刊したばかりの芥川賞作家の長嶋有さんは、自らも店頭でサインなどを行っていた。販売商品の価格帯は約300円~約1,000円で、年毎のイベントのカラーは参加する代表的なサークルのカラーによって決まってくるという。
2005年に開催した前回は約1,200名以上が来場し、ライトノベル作家の桜庭一樹さんと桜坂洋さんが期間限定の文学ユニットを結成、同イベントのみで合作小説を販売したことなどから約300名の行列ができたという。
イベント事務局代表の望月さんは今後も年1回のペースで開催していきたいと話しているほか、「『文学フリマ』でアマチュア活動を行っていた作家がプロで活躍するようになるなど、同イベント出身のプロ作家が育っていってもらえれば」と期待を寄せている。