矢野経済研究所(中野区)が12月7日、2015年度の「オタク」市場に関する調査結果を発表した。
調査期間は今年8月~10月。データは、同研究所専門研究員による直接面談、電話・ファクスによるヒアリング、インターネット調査、文献調査を併用し算出した。
「オタク」市場の対象カテゴリーは、アニメ、漫画、ライトノベル、同人誌、プラモデル、フィギュア、鉄道模型など、一定数のコアユーザーを有するとみられ、「オタクの聖地」秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツや物販・サービス。
同研究所によると、2015年度の「オタク」市場は概して好調に推移し、中でもアイドル市場は前年度比30.7%増の1,550億円に上った。一方、アダルト市場はゲーム(前年度比3.1%減の185億円)や映像商品(前年度比1.6%減の504億円)の縮小傾向が続くものの、縮小幅は緩やかという。
ミリタリー(トイガン・サバイバルゲーム)市場は2013年度以降、都心でもサバイバルゲームを楽しむ環境が整い、初心者や女性層の取り込みに成功したことから前年度比4.2%増の150億円となり、2014年度に比べ落ち着きをみせている。
同調査に関連した消費者アンケートでは、「自分を『オタク』だと思うか?もしくは人から『オタク』と言われたことはあるか?」という設問に対し、「オタク」を自認する、もしくは第三者から「オタク」と認知されている層は19.1%。
VR(ヴァーチャルリアリティー)については、「体験した」と回答したのは、前述の「オタク」の認識に関する設問に対し「はい」と回答した層では14.2%。「いいえ」と回答した層では5%。「はい」と回答した層の方がVRを体験したという比率が高い結果となった。
「オタク」の認識に関する設問に対し「はい」と回答した層を分野別に一人当たりの年間平均消費金額を算出したところ、「アイドル」分野が最も高い金額で7万9,783円。次いで、メイド・コスプレ関連サービスが3万7,289円。アニメが2万9,843円となった。