譲渡型保護猫カフェ「ちよだニャンとなるcafe」(千代田区外神田4)が10月22日、秋葉原にオープンする。運営は一般財団法人ちよだニャンとなる会。
2000年から「飼い主のいない猫の去勢・不妊手術費助成事業」が行われている千代田区。翌2001年、同事業のボランティアグループが立ち上がり約17年経過した今年、「一般財団法人ちよだニャンとなる会」が組織された。
区内で猫の殺処分を減らしていくために最初に取り組んだのは飼い主のいない猫の不妊去勢手術。2011年には全国に先駆けて「猫の殺処分ゼロ」を実現した。猫の頭数が増えるのを抑えつつ、猫と共生する地域づくりを進めながら子猫や人なれした成猫を保護して譲渡する活動を展開してきた。
しかし、区内のビジネス街を中心とした再開発が進み、猫が生きられる場所が失われているほか、地域で見守られてきた猫の高齢化・病気・負傷などで「猫が道端で倒れている」などの相談も増加。ちよだニャンとなる会によると「近年保護するのが人になれていない成猫が多いのと、短い時間に一度会うだけの譲渡会では成猫の譲渡に限界を感じるようになった」という。
そこで今回、譲渡型保護猫カフェを開設。「保護猫と触れ合える機会をつくることで少しずつ保護猫への関心を高め、気になったとき何度でも同じ猫たちに会える環境をつくっていきたい」という。
開設場所は、1952(昭和27)年に旅館「東館」として建てられたのを一部改修した古民家。猫部屋のほか、猫の絵や写真などを展示するミニギャラリー、オリジナルのチャリティー猫雑貨の販売、「猫本」が読めるミニ図書コーナーなどを設ける。開設後は、猫をテーマにしたセミナーやワークショップも開く予定。
「この拠点から活動を広げ、千代田区とボランティアが協働で猫の問題に取り組み、殺処分ゼロの成果をあげた『千代田モデル』を多くの人に紹介していく」と意欲を見せる。
オープンを控え現在、クラウドファンディングに挑戦中。建物が老朽化しているため、まちみらい千代田の助成事業から助成金を得て土台と基礎の耐震工事などをしたが、「膨れつつある工事費の補填、ウイルス・菌からの感染症対策、自動洗浄機能付きエアコン、キャットタワー、猫階段、キャットウォーク、猫ボックスなど内装設備資金が必要」として支援者を募っている。