喫茶店「アカシヤ(明石屋)」(千代田区神田岩本町)が4月27日、閉店する。
空襲時、地域住民による必死の消火活動で奇跡的に焼失を免れた建物が多く残る神田須田町エリアの柳原通り沿いに立つ、レトロな雰囲気の北原ビル1階に入る「アカシヤ」。
1973(昭和48)年創業。ブラウンを基調にした木のぬくもりを感じさせる店内でブレンドコーヒー(410円)や厚切りパンを使ったピザトースト、サラダとゆで卵が付いたモーニングセットなどを提供。周辺で働く会社員や打ち合わせをするビジネスマン、ふらりと立ち寄る観光客などが訪れていた。
近年、ビルの建て替え、ホテルや保育園の開業などの動きが活発な柳原通り。平成の終わりを控えた4月27日、「アカシヤ」は45年の歴史に幕を下ろす。
来店していた30代女性は「10年前まで近所に住んでいて、よく利用していた。閉店の話を聞き、最後にもう一度アカシヤさんでコーヒーを飲みたいと思い都外から訪れた。街の喧騒(けんそう)を忘れて、昭和の雰囲気が香る店内で頂くコーヒーは至福の一杯だった。お別れが本当に寂しい」と肩を落としていた。