ファーストキャビン(千代田区)とその子会社4社が4月24日、東京地方裁判所に破産手続き開始の申し立てを行ったと発表した。
「コンパクト&ラグジュアリー」をコンセプトに、飛行機のファーストクラスをイメージしたカプセルホテル「ファーストキャビン」を全国に26店舗(3月時点)展開してきた。秋葉原には2013(平成25)年6月、「ファーストキャビン秋葉原昭和通り」を開業。今春、神田須田町エリアに秋葉原2店舗目となる「ファーストキャビン秋葉原電気街」の開業を予定していたが、新型コロナウイルスの影響を受け、ホテル建設資材と備品などの調達に遅延が発生し、開業を延期した。
今回の破産手続き開始申し立てに伴い、同社と各子会社の直営施設5店舗(=ファーストキャビン築地、京橋、京都河原町三条、京都嵐山、柏の葉)の営業を終了する。同社の合弁会社のJR西日本ファーストキャビン(千代田区)が運営していた「ファーストキャビンステーションあべの荘」と「ステーション京都梅小路」は、既に営業を終了している。
破産についてファーストキャビンは「昨今の宿泊施設増に伴う競争激化などの要因により事業計画を大きく下回る状況が続き、財務状況が悪化していたことに加え、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から休業していた各ホテルの営業再開の見通しが立たず、当面の資金繰りのめどが付かなくなったため」と発表している。
その他のフランチャイズ店舗などについては現在、多くの店舗が新型コロナウイルス感染拡大防止のため休業中。今後の新型コロナウイルスの収束動向を踏まえ、フランチャイズオーナーらの判断の下、営業を再開する予定。
「ファーストキャビン秋葉原昭和通り」と「ファーストキャビン秋葉原電気街」については、破産手続きを開始したファーストキャビンとは、フランチャイジーの別会社の「アキバキャビン」が運営。現在、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて休業中だが、「コロナ禍が落ち着いたら」(同施設)営業再開を予定しているという。