■「国際消防防災展」の概要
「国際消防防災展」は住民の防災意識と行動力の向上、関連技術・産業の振興、消防行政施策の充実・発展を促進し、東京の安全と安心を総合的に高めることを目的に東京消防庁など主催のもと開催しているもの。前回「2003 東京国際消防防災展」は11万2,129人が来場した。
8回目の開催となる今回(「国際消防防災展2008」)のメーンテーマは「防火 防災 力の限り! STRIVING FOR THE BEST(ストライビング フォー ザ ベスト)」。STRIVINGとは、「~し続ける、やり遂げる」という意味の英語で、地域・事業所とともに、防火・防災都市東京の実現に向け邁進したいという思いを込める。同イベントでは最新の消防装備、防災用品の展示・実演、地震被害を体験する災害体感シアター、災害時の知恵を楽しく学ぶ防災キッチンなど、数多くのプログラムが用意され、場内をにぎわせていた。
■ 東京消防庁エリア-緊急車両続々登場
東京消防庁エリアでは、災害の恐ろしさをスクリーンで上映する「災害体感シアター」や、一般から募集したサバイバルレシピのコンテストと防災レシピを実際に作ることができるクッキング教室などの「防災キッチン」、服飾専門学校ファッションカレッジ桜丘による「消防ファッションショー」などの催しものが開催。このほか、歴代消防服や消防クラッシックーカーなどを展示して消防庁の歴史を今に伝える展示や、現在活躍中の消防車両やヘリコプター、装備品などの展示も行われた。
このほか、特設ステージでは首都高速で事故が起きたと仮定し、レスキュー隊らが救助を行う救助演習が行われた。声をかけ合い、油圧スプレッダーを使用し手際よく救助する姿に会場からは拍手が送られた。
屋外展示場ではビルに見立てた塔からの出火を仮定し、大規模な消防活動演習が展開。はしご車を初めとする消防車両のほか、救急車、スーパーアンビュランス、消防ヘリコプターなど多数の緊急車両が登場し、火災ビルに取り残された要救助者を救出した後、放水で鎮火。現場さながらの救助・救出劇を披露した。
一方、埠頭では水上スクーターに乗った救助隊員と消防艇が到着。要救助者がいると思われる位置に浮標を投下、水面にダイブし要救助者を救出するという水難救助演技が行われた。また、消防艇による放水も披露された。
■ 企業展示ブース-警光灯からプロユースの防火服まで
「消化・救急・救助」「災害対策」「情報・通信」とゾーンを分類し、最新の消防装備、防災用品の展示紹介と実演が行われた。消防車をはじめ、警光灯やレスキューベルト、消火器ケースなど通常のショップでは目にすることができない商品がずらりと並べられ、人々の目を楽しませていた。
このほか、防火服、作業着、科学防護服などプロユースの消防被服が多数出品され、中には試着可能なものもあった。場内に展示されていた過去の防火服と比べると各メーカーの技術進歩のめざましさがうかがえる。
【あとがき】
イベントを通して、火災現場に真っ先に駆けつけ、消火と人命救助に自らの命を張って全力を尽くす彼らの手によって、街の安全が支えられていることを感じた。我々、市民一人一人も「災害大国」日本に住む人間として、危機管理意識をさらに向上させる必要があるかもしれない。アキバ経済新聞では今後も、消防士の皆さんの活躍に期待していきたい。